あれこれ探していたら、新井の死から2ケ月後に書かれた黄英治氏のこの論説を見つけた。在日の貧しい被差別環境から「成り上がって」きた新井氏に、死をも選ばざるをえなかった、どんな事情があったかは知らない。誰かをかばおうとしたのかもしれない。あるいは「縄目」の屈辱に耐えられなかったのかもしれない。しかし、いずれであったにしろ、その「犯したとされる罪」が命をもって償わなければならないほどのことであったとは、わかっている事実からは考えられない。 新井将敬代議士が自死して、2ヶ月がたった。在日韓国人二世という出自を否定し、その激しい自己否定のエネルギーを推進力に、日本社会のエリート階段を上りつめようとして挫折。それでもなんとか再起を期そうとしていた矢先、株の不正取引が暴露され、証券取引法違反容疑者として逮捕が目前に迫った2月19日、自死という手段でこの無明世界からすり抜けていった新井将敬氏。 この日本社