ネット上で見る限り核武装論への支持は異様に高い。 核武装論を批判する人は、道徳的な感情で批判するか、その「非現実性」を論理的に説明しようとするかのいずれかである。しかし、いずれにしても無意味というか、全く逆効果でしかないという感じがする。まず反核を道徳的感情で説得しようとすれば、体制的に正当性をもつ思想である「非核三原則」を「無批判に上から押し付けられている」という反発を生む。「非現実性」を説く側は、というと実はこれはもっとまずい戦略である。核武装論者から、「そっちこそ現実がわかってない!」という、「現実」をめぐる神学論争に陥る危険性がある。事実、小林よしのりは非核論者の現実認識を全面的に批判をして、真正面から核武装の「現実性」を肯定していた。 では核武装論の何を批判すべきか。それは、核武装論者の論じている中身ではなく、彼らが多少なりとも前提にしている物の見方に照準を合わせて批判をする必要