2006年06月21日 4月のある晩。JR日野駅の近くに車を止め、運転席で帰りを待つ母は、娘のいつもと違う様子に気がついた。 人ごみのなか、黒革の野球部のバッグをさげて歩いてくる娘は、満面の笑みを浮かべていた。 後部座席に乗り込む娘にわけを聞くと、もったいぶった。「家に帰ったら教えてあげる」。でも、娘は家までの5分間を我慢できなかった。 「お母さん、生まれて初めてヒットを打ったの」 ◇ この日の練習試合、都小平南の細見綾香(3年)は、試合で初めてのヒットを放った。打球は相手投手の横を抜け、センター前に転がった。細見はいつも練習していたリードの仕方を忘れるほど、一塁上で舞い上がった。 いつも迷惑をかけている母。朝練のため、4時に起きて朝食と弁当を作ってくれる。ドロドロのユニホームを洗おうとすると、代わってくれる。喜ぶ母の姿を見て、細見は何か返せた気がした。 ◇ そんな母を一度だけ、苦しませた
2006年06月16日 プロレスラーになる直前の1年間、米国で中学校の教師をしていた。当時まだ22歳。受け持った体育の授業では、騒いでいた男子生徒の尻を棒でたたいたこともある。自分もそうされていたし、疑問を持たなかった。 しかし、ある日、校長に呼ばれて「気をつけた方がいい。裁判になる」と注意された。事実、その頃から米国では学校の暴力が多く法廷に持ち込まれるようになった。今は学校での体罰はほとんど聞かなくなった。 スポーツでも、自分たちはたたかれて育った米国最後の世代だと思う。大学生の頃はアメリカンフットボール部のコーチから体罰を受けた。ミスをした時、抱きかかえられ腹をドスンとやられた。厳しい言葉を浴びせられ、くじけそうにもなった。しかし、僕が大学を卒業して間もなく、他大学の有名監督が選手へ暴力を振るって解任された。以降、指導者の意識は劇的に変わった。 愛情に基づいた親のしつけはともかく、ス
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