Duke Yamagata, its your turn 最近、二冊の本を読んだ。これは日本の「権力構造」のソフトな締め付けを如実に表している事例であるので、紹介しておきたい。 一冊目は、外務省起訴休職外交官の佐藤優さんが書いた、『獄中記』(岩波書店)、もう一冊は映画化が決定している『彼女は嘘をついている』(小泉知樹・著、文藝春秋刊)だ。外務省の佐藤さんの本は、いわゆる国策捜査についての彼なりの考えも含めて、いわゆる鈴木宗男事件に関連して、検察に“事件”をつくられて逮捕された話が中心。著者が、東京拘置所の独房(監視カメラ付きのワンルーム・マンション)で、500日近くの拘留中の間、62冊のノートにまとめ上げた読書記録をそのまま本にしたという珍しい体裁。 小泉氏の本の方は、建設会社に勤務するサラリーマンが、通勤電車に乗っている途中に、列車に乗っていた女子高生に痴漢に“仕立て上げられた”というえ