滋賀県知事に嘉田由紀子さんが、当選した。自民・民主・公明の3党相乗りの現職候補に対して、3万票の差をつけて振り切ったのだから快挙だ。全国で5番目の女性知事となった嘉田さんは、新幹線新駅建設を既成事実化する県政に対して、「もったいない」と建設凍結案で問い返し、環境社会学と水の専門家として正面から勝負をかけた。 選挙のプロからすれば、信じがたい結果だろう。「何としても新幹線の駅をつくります」ではなくて、「新幹線の駅をつくるな」というメッセージが共感を呼んだのである。武村正義知事を生んだ滋賀県らしい、環境問題と地方の財政健全化へ向けた賢い選択だった。従来型の大型公共事業に依存した票田対策よりも、「孫や子どもにツケを残さない」という嘉田さんの訴えが勝った。 2日は、東大阪市・市長選挙でも自民・公明推薦の現職候補が、共産推薦の元職候補に僅差で敗北している。小泉政治の神通力は「選挙の強さ」にあったはず