ファミリーマートの店内放送でしきりに唐揚げ寿司というものを薦めている。レジで店員にお申し付けくださいと言われてもちょっとそれは買う気になれないよと思いつつ買い物を続けていたのだが、何度も薦められるうちに「とりたてて良くはなかろうが、それなりに食える程度のものじゃないだろうか?」と思えてきた。店内にいる時間に比例して購買意欲ゲージは次第に上昇し、レジに並ぶ頃には完全に唐揚げ寿司を購入する気持ちでいっぱいだったのだが、俺はレジに書かれた唐揚げ串という文字を見てがくりとうなだれ、行き場のなくなったマックスゲージをもてあましながら帰路に着いたのだった。 「お前達の目的が姫に呪いをかけた邪悪な魔術師の討伐であることはギルドでも説明を受けていると思うが、わし直々に補足せねばならぬ点があってな。まず姫の呪いについてだが、たいしたものではない。それは呪いをかけた魔術師の魔力自体がたいしたものではないからだ