「てんかん」という病名を知っている人も多いだろう。しかし、患者が100万人に上ることや高齢になると発症率が増加することはあまり知られていない。さらに、てんかんの症状に詳しい一般医が少ないという課題もある。専門医に症状や知識を普及するための対策などを聞いた。 「てんかんは一つの疾患ではなく、いろいろな病気の寄せ集めだと考えてほしい」。東京医科歯科大学大学院医歯学総合研究科・脳神経機能外科学分野の前原健寿教授はこう話す。 高齢発症の患者では脳梗塞になったり、頭に傷を負ったりすることが原因となり、てんかんを発症することもある。てんかんは繰り返して発作が起きる病気だ。かつては1回の発作だとてんかんと診断されなかったが、国際てんかん連盟は定義を変更し、初回発作でも、発作を繰り返す可能性の高い場合にはてんかんとしての治療を始めてもよい、としている。 てんかんは子どもの病気だと思われがちだ。しかし、前原