再生JALの心意気/さかもと未明(漫画家) 私は夏の羽田空港で、JALの空港スタッフ相手にひと騒ぎ起こしていた。主人と出かけた愛媛県松山からの帰りの飛行機、JAL1466便のなかで、赤ちゃんが泣き叫び通しだったのにブチ切れてしまったのだ。だって、客室乗務員さんが母親と一緒にあやしても泣きやむ気配はないし、逃げ込む場所もないんだもん。 気持ちは解る。 子供の泣き声というのはカンに触る。 親だって平気じゃないんだあれは。 しかし対処方法は無いのだ。 もちろん「小さい子供は飛行機に乗るな」というのも一つの解法だろう。 だが既に乗っている以上、もう手はない。 いまさら怒ってもしゃーねーじゃん。 つくづく「寛容」「不寛容」のゲージは人によって振れ幅が違う。 子供と一度生活すると糞尿とやかましさに対する寛容度は自動的に上がる。 逆にいえば子供と接点がなければ、寛容になれるわけがない。腹が立つのもよく解