「子宮頸ガンは、まだ若い20代から40代で出てくるからやっかいだよね。ただし、若い人で見つかっているのはほとんどが、たいしたことのない上皮内ガンなの。進行ガンまで発展するのは少ないから、死亡率は低いわけ。それなのに、若くして子宮頸ガンになって治った人たちが、積極的に子宮ガン検診を受けましょうとか、子宮頸ガン予防ワクチンを打ちましょうなどと言い出してるんだよ」 こう語るのは、元慶應病院放射線科の近藤誠医師(65)。自治体から送られてくる子宮ガン検診の案内。無料だからと受信すると、自覚症状がないのに異常が見つかってしまう。そして最悪、子宮だけでなく卵巣、卵管、子宮靭帯、リンパ節、膣の一部までごっそり切り取る「広汎子宮全摘術」に持ち込まれる――そんな恐ろしい子宮頸ガン検査とは。 子宮頸ガン検査で最初におこなわれるのが“子宮頸部細胞診”である。 「子宮頸ガンは体の奥深くのガンと違って、疑わし