今年5月末、山形県警は、ベトナムに不正送金する「地下銀行」を営んでいたとして銀行法違反(無免許営業)容疑でベトナム人会社役員(36)を逮捕した。山形県内のベトナム人3人から1万1000円の手数料を取って計72万円を同国に送金したというのが逮捕容疑だった。 日本とベトナムの貿易を手がける役員はベトナム側のプール資金を利用して昨年2月から今年4月にかけ、フェイスブックで募集した全国百数十人のベトナム人から預かった計10億円をベトナムの送り先に届け、手数料として計1500万円の収益を上げていた。 日本で働くベトナム人研修生・技能実習生が急増したことが事件の背景にある。研修生・技能実習生とは事実上の出稼ぎ移民だ。歴史的に反中国のベトナムは日本と経済連携協定を結ぶなど、経済的な結びつきが次第に強まっている。 開放政策で6%台の成長が続くベトナム(昨年11月、ホーチミン市で筆者撮影) 厚生労働省による