「トイレがな、ごっつええ匂いすんねん」 「へー。どんな?」 「たとえてゆうなら、『ブドウとブドウのぶつかり稽古』」 「・・・は?」 「それくらいブドウやっちゅうことやがな」 「・・・うん」 「・・・あ、ちゃうわ!『ブドウとブドウのコラボレーション』!」 「・・・まあ、ブドウの匂いするんゆうのはかろうじてわかるわ」 「あ、じゃなくてじゃなくて、『ブドウとブドウのぶつかり稽古』」 「それさっきゆうたやん」 「ちゃうがな。さっきのは朝稽古で今のは夜稽古やがな」 「・・・は?」 「いちにち2回稽古せんとな!」 「・・・うん」 「・・・あ、ちゃうちゃう!『ブドウのぶつかり稽古』!」 「ブドウ一個へってるやん」 「おまえはほんまにアホやなあ。ブドウのひとりは内弟子で、もうひとりは通いやがな」 「・・・うん」 「夜の稽古おわったから通いのほう帰ってもうたってわけやな」 「・・・うん」 「内弟子のほうはが