災害公営住宅「市営新大池東住宅」で今も続けられているお茶会 神戸市西区の西神第七仮設住宅から須磨区の災害公営住宅「市営新大池東住宅」に移った小山鉄男さん(73)は現在、市営住宅自治会長を務める。仮設住宅時代に「阪神高齢者・障害者支援ネットワーク」理事長の黒田裕子さんらと一緒に始めたお茶会は、住民の憩いの場として続いている。 阪神大震災から4年半後、仮設住宅はなくなっていた。被災者は災害公営住宅などで新たな生活を始めた。仮設住宅に比べ、より安定した生活を手に入れたはずだった。 黒田さんは災害公営住宅建設が進む中、心配が1つあった。公営住宅が整備される土地の住民と被災者は、うまく打ち解けられるだろうか。「市民は皆、被災者。きっと分かり合えるはず」。しかし、不安は的中する。 高級住宅が立ち並ぶ西区にも複数の公営住宅が建設された。地域住民の被災者への反応は冷たかった。「学校に公営住宅の子どもが来た
神戸市内のネットワークの事務所。黒田さんは今も被災住民と向き合う 「仮設住宅では問題が次から次に起きた」。阪神大震災の被災者に寄り添う「阪神高齢者・障害者支援ネットワーク」理事長の黒田裕子さんは振り返る。 神戸市の西神第七仮設住宅。住民相互の意思疎通を図ろうと、敷地内で祭りをするとけんかを始める。パイプいすで殴り合ったり、包丁を持ち出したりした。時には警察の力を借りながら黒田さんは住民と向き合った。 招かれざる客もやってきた。被災者の借金を回収しようとする債権者や、暴力団員だ。原因が分からない、ぼやも起きた。一歩間違えれば建物火災になりかねなかった。 仮設住宅には、天災によってこれまでの生活を失った悲しみ、ぶつけようのない怒りが渦巻いていた。 自室に閉じ込もり、人と接触しようとしない住民もいた。定期的なお茶会、朝と日中のラジオ体操、男の料理教室など思い付くことは全て企画した。悲しみを心にた
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