IHIグループのIHI原動機と日本郵船は8月23日、アンモニア燃料タグボート「魁(さきがけ)」が竣工したと発表した。世界初の商用利用を前提としたアンモニア燃料船という(日本郵船調べ)。 日本初のLNG燃料船として2015年に竣工し、約8年間にわたり東京湾で曳船業務従事したタグボートを改修。主機関をアンモニア燃料エンジンに換装した後、実際に燃料アンモニアを使用した海上航行実験を行い、竣工を迎えた。 今後は、日本郵船グループの新日本海洋社によって東京湾での曳船業務に従事しながら、3カ月間の実証航海を実施する予定だ。 炭素を含まず、燃焼しても二酸化炭素を排出しないアンモニアは、カーボンフリー燃料として注目されている。カーボンフリーの燃料には水素もあるが、水素は液化が困難(沸点:-253℃)であるのに対し、アンモニアは比較的容易(沸点:-33.3℃)。貯蔵や輸送にも向くため、海運分野の脱炭素化に向