母が亡くなった。 その時が遠からず来ることは分かっていたので、心は落ち着いていたが、「人は本当に死ぬのだな」という、間抜けなほど当たり前のことを思った。 もしもの時の延命治療をどうするかと医師に聞かれ それまで一人暮らしをしていた母は、2年前に入院したことで一気にQOLが下がり、退院後に再び一人で暮らすことが難しくなった。当時、次女はまだ2歳で、私が家に受け入れることは難しく、母が入居できる施設を探すことになった。 この時期は体力的にも精神的にも結構大変で、入退院手続き・施設探し・それまで暮らしていた家の手続きなど+育児と仕事を同時にこなした。私が家を空けている間は夫がすべての家事を引き受けてくれたが、よく夫婦2人で乗り切ったと、自分たちのことながら思う。 入院時に、もしもの時の延命治療をどうするかと医師に聞かれ、即答できなかった。親とはいえ、人の命についての選択をしなければならないのは重