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ブックマーク / number.bunshun.jp (280)

  • “天才”柿谷曜一朗を蘇らせる、C大阪・ソアレス監督の非凡な目。(木崎伸也)

    今年、レンタル先の徳島からセレッソに復帰した柿谷曜一朗。選手層の厚さに阻まれ、まだ途中交代での出場が多いが、時おり天才の片鱗を覗かせるプレーを披露する。 6月6日のナビスコカップ第5節、セレッソ大阪対川崎フロンターレ(3対2)を取材に行くと、おもしろい采配に出会った。 セレッソ大阪のセルジオ・ソアレス監督は、0対1とリードされて迎えたハーフタイム、大胆な交代を実行する。ボランチの扇原貴宏を外し、左MFとして先発した丸橋祐介をそのポジションに移したのだ。 丸橋といえば、プロとしては左サイドバックで頭角を現した選手で、多くの人が“左サイドのスペシャリスト”という印象を抱いているだろう。にもかかわらず、ソアレス監督は突然、試合中に丸橋をボランチにまわしたのだ。あえて日本代表でたとえるなら、(利き足は違うが)長友佑都を流れに応じてボランチに置くようなものだろうか。 また、扇原はロンドン五輪代表のボ

    “天才”柿谷曜一朗を蘇らせる、C大阪・ソアレス監督の非凡な目。(木崎伸也)
  • <プレーから性格まで徹底分析> 内田篤人のEURO講座 「右サイドから見える風景」(木崎伸也)

    CL、ELで多くの選手たちと対戦した男は、 EUROにも一味違う視点を持っていた。 頼れるチームメイト、厄介なライバル……。 プレーから性格までを、ウッチーが徹底分析。 日本代表に、EUROを語る上で欠かせない男がいる。昨季のCLで日人として初めてベスト4に到達し、今季もELでベスト8に進出したシャルケの内田篤人だ。これだけ短期間に異なる国のクラブと対戦した選手は、ヨーロッパでも限られているだろう。 さらに内田には、他の選手にはない独特の目がある。サッカーの試合を“バスケ的視点”で見ているのだ。 内田はそれが常識かのように、さらりと言った。 「サイドバックのポジションって後方から見られるから、バスケットボールでいうとポイントガード(一番後ろにいる司令塔的役割)っぽいじゃないですか。僕の父はバスケの先生なので、その影響で結構子供のときからバスケの試合を見ていた。実際ピッチでもポイントガード

    <プレーから性格まで徹底分析> 内田篤人のEURO講座 「右サイドから見える風景」(木崎伸也)
  • “本気のオーストラリア”とどう戦う?敵地決戦で日本代表に必要なこと。 (二宮寿朗)

    前田遼一、田圭佑(3得点)、香川真司、栗原勇蔵らによる計6得点のゴールラッシュとなったヨルダン戦。これまでホームでの2試合で快進撃を見せたザックジャパンだが、6月12日、“最大のライバル”オーストラリア戦は初のアウェーでの戦いとなる。 有言実行――。 6月8日のヨルダン戦の大勝劇はそのひと言に尽きる。 初戦、オマーンに3-0で勝利した後、先制点を挙げた田圭佑は表情を変えることなくこう言い放っていた。 「勝てばOKじゃない。アウェーで戦うときに相手に『(日とは)もうやりたくない』と思わせるほどじゃないとダメ」だと――。 初戦に引き続き、6万の大観衆をのみこんだ埼玉スタジアム。 キックオフの瞬間、田の決意が見てとれた。彼は一旦ボールを後ろに下げるのではなく、前にいる香川真司にパスを出して前を向かせようとした。筆者の目にはヨルダンがたじろいだように見えた。のっけからネジを巻いてくる日

    “本気のオーストラリア”とどう戦う?敵地決戦で日本代表に必要なこと。 (二宮寿朗)
  • オマーンを終始圧倒した日本代表。快勝劇の裏にあった“3つの意識”。(二宮寿朗)

    「(W杯最終予選の)初戦の硬さはわりとありました」と語った田圭佑。だが、先制点だけでなく、攻守にわたって起点となるプレーを見せ、勝利に貢献した。 月の明かりがまばゆく照らす埼玉スタジアムのスタンドはお祭り騒ぎが続いた。サポーターもこれほど安心して見ていられるとは思わなかったのではあるまいか。緊張からかスタートこそ硬さが目立ったものの、終わってみれば3-0という快勝劇。オマーンに対してはわずか1のシュートしか許さなかった。 過去、アジア最終予選の初戦には苦しんできた。 ドイツW杯のときも南アフリカW杯のときも相手にゴールを与えて1点差勝利。そのことを考えれば相手のレベルうんぬんではなく、“簡単に勝ちきること”がいかに難しいかが分かる。しかしザックジャパンはオマーンのレベルがどうあれ、難しい試合を簡単に勝ち切ってみせたわけである。 「初戦を取ることの大切さを心に強く持ちながら選手たちは戦っ

    オマーンを終始圧倒した日本代表。快勝劇の裏にあった“3つの意識”。(二宮寿朗)
  • <セレッソ復帰までの物語> 柿谷曜一朗 「天才の蹉跌」~今どきの若者の挫折との向き合い方~(城島充)

    10代の頃は、明らかに香川より柿谷だった。だが、いつしか2人の 立場は逆転してしまう。未熟さゆえの挫折を経験した22歳は、 遥か先を行く香川の姿に何を思うのか。関係者と人の証言から、 天才の葛藤に迫る。 アスリートにとって、才能とはなにか――。 フジタ工業や大塚製薬でプレーし、引退後は横浜マリノスのユース監督などを経て多くの逸材に接してきた中田仁司は、この問いかけに対する明確な答えを持てずにいた。アスリートが成功するかどうかは、それぞれの時代や環境、運にも左右されるからだ。だが、その少年を「天才」と呼ぶことには迷いがなかった。 「ひとことでいえば、まだ子供なのに大人の感覚でサッカーをしていました。普通、大人のコーチに『走れ』と言われたら、子供たちは怒られたくないからどんな場面でも一生懸命走るんですが、彼は違った。ゲームのなかで、なにが必要でなにが無駄なのかわかっている。経験を積んで初めて

    <セレッソ復帰までの物語> 柿谷曜一朗 「天才の蹉跌」~今どきの若者の挫折との向き合い方~(城島充)
  • ビジャレアル、まさかの降格。リーガの優等生を襲った悲劇とは。(工藤拓)

    ビジャレアルの拠地エル・マドリガル。ファルカオの強烈なヘディングがディエゴ・ロペスの右手を弾き、ゴールネットを揺らす。それを見たフェルナンド・ロイグ会長はスタンドで頭をもたげ、両手で顔を覆ってしばし俯いた。88分のことだった。 その3分後、ラージョ・バジェカーノの拠地テレサ・リベロ。ラージョのラウール・タムードがグラナダ相手に決勝ゴールを決めたのとほぼ時を同じくして、ビジャレアルのFWマルコ・ルベンが放ったヘディングシュートがゴールポストの僅か左に流れていく。 ビジャレアルが降格圏に転落した瞬間だった。 もう限界だと言わんばかりに席を立ち、まるで夢遊病者のようにふらふらとスタンドの階段を下りていくロイグ。 ほどなく試合は終了し、ビジャレアルの13年ぶりの2部降格が決まった。 相次ぐケガ人、機能しない新戦力、裏目に出た監督人事……。 なぜビジャレアルは降格したのか。 今季の失敗を語る上で

    ビジャレアル、まさかの降格。リーガの優等生を襲った悲劇とは。(工藤拓)
  • 岡崎も認めた酒井高徳の潜在能力。シュツットガルトも来季は優勝争い!?(ミムラユウスケ)

    ドイツの2大紙『キッカー』『ビルト』でベストイレブンに選出されるなど酒井の評価はうなぎのぼり。『WELT』紙は「すぐにでも彼を帰化させるべき」とも。 ブンデスリーガのシーズン後半戦で、最も周囲を驚かせたチームがシュツットガルトであることは間違いない。 後半戦だけの成績を見ると勝ち点は27で、これは2位バイエルンと同じ数字。前半終了時、8位に沈んでいたのが嘘のようだ。チャンピオンズリーグ出場権(ただしプレーオフからの参加)獲得の4位に入るのはやや厳しくなったが、ヨーロッパリーグ出場権を得られる5位はほぼ確実といっていいだろう。 後半戦のシュツットガルトの強さの秘密は得点力にある。後半戦14試合で上げた36得点というのはリーグトップの成績。1試合平均2.5点以上をたたきだしている。 後半戦から加入したFWイビセビッチの数字以上の貢献度。 3月30日、ドルトムントのホームで行なわれた試合では、一

    岡崎も認めた酒井高徳の潜在能力。シュツットガルトも来季は優勝争い!?(ミムラユウスケ)
  • ラウールが変えたブンデスリーガ像。シャルケを去るスターが残したもの。(ミムラユウスケ)

    今年2月にはキャリア通算400得点を達成。CLでの最多得点記録(71点)も保持している。来シーズンはどこでプレーするのだろう? ラウールの2年が終わった。あっという間に。 今年に入ってから、シャルケが契約延長に向けて再三働きかけていたものの、合意には至らず。来季からはヨーロッパ以外の国でプレーすることにしたという。その理由はこうだ。 「厳しい戦いをずっと続けてきて、疲労した部分がある。これからはもう少し家族との時間を増やしたいと思っている」 「疲労した」というのも、ある意味で当然のことかもしれない。 この2シーズンのリーグ戦68試合のうち、負傷により欠場した試合が1試合、戦術的理由で今季最終戦をベンチから見守った他はすべてプレーしているのだ。リーグと並行して昨季はCL全12試合を、今季はEL11試合(移籍騒動に揺れて『戦術的理由』でプレーオフ1試合を欠場)を戦った。その数字が彼の体調管理が

    ラウールが変えたブンデスリーガ像。シャルケを去るスターが残したもの。(ミムラユウスケ)
  • Jクラブは選手の海外移籍で正当な額を手にしているのか。~『サッカー選手の正しい売り方』~(二宮寿朗)

    サッカー選手の正しい売り方 移籍ビジネスで儲ける欧州のクラブ、 儲けられない日のクラブ』 小澤一郎著 KANZEN 1600円+税 日人フットボーラーの海外移籍に拍車が掛かっている。 今冬の移籍市場では日本代表FWの2人、李忠成がサンフレッチェ広島からサウサンプトンに、ハーフナー・マイクがヴァンフォーレ甲府からフィテッセに完全移籍。アルビレックス新潟からは酒井高徳が期限付きでシュツットガルトに移籍した。さらにU-23代表のエース格である清武弘嗣も、ニュルンベルクと合意間近という報道が出ている。 海外移籍の活発化は歓迎すべきだが、日では2009年にFIFAルールを適用して以降、才能あるタレントが移籍金(違約金)なしで海外移籍するケースが頻発しているのも事実だ。書を読むとJクラブや日サッカー界の問題点が浮き彫りになるとともに、サッカービジネスの在り方について考えさせられる。 スペイ

    Jクラブは選手の海外移籍で正当な額を手にしているのか。~『サッカー選手の正しい売り方』~(二宮寿朗)
  • 日本一諦めきれない男の人生──。古木克明は今もオファーを待っている。(村瀬秀信)

    日々自らの身体に鞭打つようにして激しいトレーニングを続けている古木克明。古木ファンならば……ツイッターの@furukiktakとフェイスブックをチェックすべし! プロ野球が開幕して1カ月。全国各地では今年も連日勝った負けたと、いつものペナントレースが繰り広げられているわけだが、ちょっと考えてみてほしい。我々は何か重要なことを忘れてしまってはいないだろうか。 古木。 そう、古木克明の続報がまるでないのである。 開幕熱も落ち着いた今日この頃、ここで筆者は声を大にして言いたい。数多のプロ野球関係者、そしてスポーツメディアに携わる方々、ファンの人たち、古木忘れていませんか! と。 昨年10月の記事で総合格闘家からの引退と、まさかのプロ野球界再挑戦をぶち上げた古木は、その後2度のトライアウトに挑み、神戸で1安打、千葉では3安打と十分な結果も残し、人曰く「100点」と、やれる手応えもつかんだ。 東山

    日本一諦めきれない男の人生──。古木克明は今もオファーを待っている。(村瀬秀信)
    jazzanova
    jazzanova 2012/05/03
  • 海外移籍を経験したから分かった、細貝萌の見る“Jリーグの現在地”。(木崎伸也)

    2010年12月に複数年契約を結んだレバークーゼンから、当時2部だったアウクスブルクへレンタル移籍をし、チームの1部昇格に貢献。今季はボランチのレギュラーに定着し、チームが残留するため奮闘している。 この新連載の前回において、サンフレッチェ広島のミハエル・ミキッチの「日の若手はなぜ外国のリーグに行きたがるかわからない」という“語録”を取り上げたところ、予想以上に大きな反響があった。かつてないほどに日人選手が欧州に移籍するようになった今だからこそ、「Jリーグの現在地」を正しく理解することが求められているのだろう。 ただ、前回の原稿の中で、少しばかり説明が足りなかったと反省している部分もある。それはミキッチがブンデスリーガを離れてからすでに6年ほどが経過しており、彼が持っているドイツサッカーの印象はやや古くなっている可能性があるということだ。 2部のアウクスブルクが1部へ昇格する原動力とな

    海外移籍を経験したから分かった、細貝萌の見る“Jリーグの現在地”。(木崎伸也)
  • 安易な海外移籍決断に異を唱える、広島・ミキッチのJリーグ主義。(木崎伸也)

    当初はFWとしてプレーしていたが、1999年にディナモ・ザグレブの監督に就任したオズワルド・アルディレスにサイドプレーヤーへの転向を促され、以降、サイドを主戦場として活躍。サンフレッチェ広島に加入した初年度も右サイドのレギュラーとしてシーズン4位という好成績に貢献した。 今、Jリーグにとって最も悩ましい問題のひとつは、若手のヨーロッパ流出だろう。2010年W杯以降、香川真司、内田篤人、宇佐美貴史、大津祐樹といったリーグの見所となりうるタレントたちが次々と日を離れ、この夏もセレッソ大阪の清武弘嗣や柏レイソルの酒井宏樹の海外移籍が噂されている。 ドイツに6年間住んだ経験がある筆者としては、リスクを冒して移籍する若手選手たちの気持ちがわかる気がする。Jリーグである程度の結果を出せば未知の世界で力を試したいと思うのが自然だし、言葉も通じない異文化に飛び込むことで価値観が変わって劇的な成長を遂げる

    安易な海外移籍決断に異を唱える、広島・ミキッチのJリーグ主義。(木崎伸也)
  • ビラスボアスの思惑を阻んだ“壁”の正体。~チェルシーの構造的な問題とは?~(田邊雅之)

    「不幸にしてチームの結果とパフォーマンスは十分なものではなく、改善の兆候はまったく見られませんでした」 ビラスボアス監督の解任に際してチェルシーが発表した公式声明は、残酷なほど直截的だった。 3月3日、チェルシーは格下のウェストブロムウィッチに0-1で敗北。CL出場枠が危うくなったという判断により、34歳の青年監督はわずか在任8カ月で引導を渡された。 今回の解任は「志半ば」という表現が相応しい。ビラスボアスはチーム改革に着手していたからだ。 従来と同じ4-3-3でも、ボール支配率を重視した攻撃的なサッカーを追求し続ける。守備でもラインを高く保ち、全員でプレスをかける能動的なスタイルを目指した。 こちらは雑誌『Number』の掲載記事です。 NumberWeb有料会員になると続きをお読みいただけます。 残り: 1038文字 NumberWeb有料会員(月額330円[税込])は、この記事だけで

    ビラスボアスの思惑を阻んだ“壁”の正体。~チェルシーの構造的な問題とは?~(田邊雅之)
  • <日本代表の“頭脳”が語る> 遠藤保仁 「負けている時こそ原点に立ち返れ」(佐藤俊)

    格下ウズベキスタン相手に喫した、まさかの敗戦。 後半早々の失点に焦りが広がる中、卓越した観察眼をもつ ベテランにだけ見えていた、ピッチ上の“風景”とは――。 2月29日、ブラジルW杯3次予選ウズベキスタン戦の後半9分だった。 たぶん、香川真司がシュートで終わっていれば何の問題もなかっただろう。だが、長友佑都への微妙なパスがカットされ、痛烈なカウンターを喰らってしまった。 その刹那、遠藤保仁は、長友が上がったサイドの裏のスペースに向かって走った。最初は4対4の同数だったが、ナシモフとシャドリンがゴール前に走り、4対5の数的優位を作られてしまう。遠藤の必死の帰参も実らず、右サイドから絶妙なクロスを入れられ、ゴールを割られた。 「ゴール前に2人、入って来られた時点で勝負ありだった」 遠藤は呆然として、ゴールに転がったボールを見つめていた。 ウズベキスタンのベンチは総出で得点者シャドリンを迎え、沸

    <日本代表の“頭脳”が語る> 遠藤保仁 「負けている時こそ原点に立ち返れ」(佐藤俊)
  • ペトロビッチが目指す新戦術とは?槙野智章が語る、新生レッズの全貌。(木崎伸也)

    今季から浦和の指揮を執っているミハイロ・ペトロビッチ監督。2006年から広島で監督を務め、槙野の他、柏木陽介、森脇良太などを育てた。 若くしてこれほど異なるタイプの戦術家と出会った選手も珍しいだろう。槙野智章はサンフレッチェ広島時代にセルビア出身のミハイロ・ペトロビッチ、ケルン時代にノルウェー人のストール・ソルバッケンの指導を受け、日本代表ではイタリア人のアルベルト・ザッケローニの下でプレーしている。そして今季浦和レッズに加入したことでペトロビッチとの再会を果たした。 槙野は言う。 「サッカーっていうのは、監督ごとに当にいろんな哲学がある。ペトロビッチ監督は攻撃的なのでそれに必要なことを学ばせてもらったし、ザッケローニ監督からはイタリアのカテナチオ。(昨季コペンハーゲンをCLのベスト16に導いた)ソルバッケンは『DFラインとFWの間を25メートルにする』というプレッシングサッカーで、とて

    ペトロビッチが目指す新戦術とは?槙野智章が語る、新生レッズの全貌。(木崎伸也)
  • 香川離脱に見るドルトムントの深謀。代表招集を巡る日独の温度差とは?(ミムラユウスケ)

    1つのニュースが、実はある大きな問題を浮かび上がらせている。 2月16日の木曜日、試合を2日後に控えたドルトムントのクロップ監督が、記者会見で気になるコメントを発した。 「(香川が)水曜日の1対1の練習中に(左足首のじん帯を)痛めた。最初は少しだけ足を引きずっているように見えたのだが、そのあとに悪化したようだ。ヘルタ戦(18日)、ハノーファー戦(26日)はノーチャンスだ。(クラブの担当医である)マルク・ブラウン医師は『マインツ戦(3月3日)での復帰を目指しましょう』と言っている」 ブンデスリーガで旋風を巻き起こしている香川負傷のニュースとクロップ監督の発言は、瞬く間にドイツ中を駆け巡った。 “最大”で3週間の離脱だが、早期復帰の可能性も示唆。 気になるのは、このあとのドルトムントの動きである。 オフィシャルホームページでは、まず、速報として香川が最大で3週間の離脱というニュースが発表された

    香川離脱に見るドルトムントの深謀。代表招集を巡る日独の温度差とは?(ミムラユウスケ)
  • <最強バルサの原点> ロナウジーニョ 「ラスト・ファンタジスタ」(熊崎敬)

    かつてバルセロニスタを熱狂させ、その後決して 円満とは言えない経緯で去っていった“最後の遊び人”。 バルセロナには彼の面影が今も色濃く残っている。 FCバルセロナはもはや、スポーツクラブというより巨大な企業のようだ。拠地カンプノウに隣接する、かつての小さな練習場は駐車場に変わり、郊外に大規模なトレーニング施設が造られた。一切の無駄が排された清潔で機能的な事務所は、一流企業のオフィスにいるかのようで少々息がつまってくる。 だが、町役場のような気安さは残されている。事務所の一室で関係者を取材していると突然ドアが開き、テレビや新聞で目にする顔が現われた。第39代会長、サンドロ・ロセイ。副会長時代にロナウジーニョを獲得した人物として知られる、優秀な経営者だ。バルサに空前の成功をもたらした男は興奮気味に捲くし立てた。 「いまの強いバルサの原点は、ロナウジーニョだ。彼のお陰で、バルサは新たな時代の扉

    <最強バルサの原点> ロナウジーニョ 「ラスト・ファンタジスタ」(熊崎敬)
  • 宮市亮が放った「輝き」と「甘さ」。プレミアデビューを現地はどう見たか?(山中忍)

    潤一、戸田和幸、中田英寿に続く4人目の日人プレミアデビューを飾った宮市亮。“アーセナルの主力”という目標に向け、大きな一歩を踏み出した GKの手の平1つ分。 宮市亮にとっての夢のデビュー・ゴールは、近そうで遠かった。 2月11日に行われた第25節ウィガン戦は、宮市にとって、アーセナルからレンタル移籍したボルトンでのデビュー戦であり、待ちに待ったプレミアリーグでのデビュー戦でもあった。 後半からピッチに立った背番号30に見せ場が訪れたのは、1点のビハインドで迎えた終盤86分。左手で足下を指差しながら最終ラインの裏に抜けると、FWのダビド・エンゴグから要求通りのパスが出た。ファーストタッチでボールの勢いを殺し、DFを背負いながら右足を大きく踏み込む。続いて左足から放たれたシュートは、ファーポスト内側のネットを揺らすかに思われたが、アリ・アルハブシが横っ飛びになって腕を伸ばすと、ボールは無

    宮市亮が放った「輝き」と「甘さ」。プレミアデビューを現地はどう見たか?(山中忍)
  • クロップ監督が異例の長期契約延長。欧州制圧を狙うドルトムントの野望。(ミムラユウスケ)

    ドルトムントがまたひとつ、未来へ向けて歩みを進めることになった。 1月30日、あるニュースがドイツ国内を駆け巡った。クロップ監督とツォルクSD(スポーツディレクター)の契約が2016年の6月30日まで2年間延長されることが決まったというのだ。 監督やSDは選手のように移籍期間が決まっていないため一概には言いきれないものの、通常は契約期間が1年を切るころまでに、さらに契約を延長するのか、それとも契約を更新せずに、新たな監督やSDを迎え入れるための準備を進めるのが通例だ。 ところが、クロップ監督とツォルクSDの場合は、約2年半の契約期間を残して、再度の延長が決まった。しかも、前回の契約更新から約1年2カ月しかたっていないのだから、異例なものに映る。このニュースが意味するのは、ただ一つ。 ドルトムントの未来を彼らに託すという判断をクラブが下したということだ。 序盤の不調をはねのけた底力に選手たち

    クロップ監督が異例の長期契約延長。欧州制圧を狙うドルトムントの野望。(ミムラユウスケ)
  • 元日本代表の波戸康広氏が分析する、“ブレイク予備軍”酒井宏樹の課題。(二宮寿朗)

    FIFAの公式サイトで「今年注目の若手選手13人」にも挙げられている酒井宏樹。サイトではバルセロナのダニ・アウベスと比較されているが……クラブW杯に続く、ロンドン五輪での世界的プレーが期待される ロンドン五輪出場を目指すU-23代表はアウェーでシリアに敗れ、2位に転落した。ピンチに陥ったのは間違いないが、勝ち点でシリアに並ばれて、得失点差は同じ「+4」、総得点で「1」下回っている状況に過ぎない。絶望的でも何でもない。残り2試合で勝ち点6を積み上げ、得失点差でシリアを上回ればいいわけである。そのことを冷静に受け止め、チーム一体となって大会出場に邁進すれば、出場の可能性は決して低くないと断言できる。 ロンドン世代にはさらなる奮起が求められる。 かつて「アテネ経由ドイツ行き」との合言葉があったように、彼らの先輩たちは五輪予選、大会のタフな戦いをステップにしてA代表にまで駆け上がっていった。現

    元日本代表の波戸康広氏が分析する、“ブレイク予備軍”酒井宏樹の課題。(二宮寿朗)