管理の話 組織とか組織の管理とかいう話をするとき、日本人は軍隊式管理というのをほとんど非人間的管理というのと同意義のこととして扱います。この点については十分に検討しなければならないと僕は思っています。というのは、何もここでは大日本帝国軍が人間的な組織であったなどと強弁したいわけではなく、なぜ大日本帝国軍は非人間的組織であったかという点を検討すべきであるということです。 軍隊という組織はナポレオン以後常に国民的な組織であるべきと規定されるようになったと言えるでしょう。現代戦において軍隊は専門技術者集団であるという点を強調する向きもありますが、現実的に普通の歩兵であれば今でも一年程度の教育で実戦の現場に投入できるのであって「その程度」の話ではあるわけです。国民的な組織であるということは、その国家民族の伝統に則った組織である必要があり、本来軍隊とは非人間的組織であってはならないということです。