かつては日本人クリエイターの作品は国際的な広告祭でも受賞の常連でしたが、バブル後はすごく沈滞していて、いったい日本のCMはどうなっているのだ、と外国の人たちから心配されたほどです。 ―― 確かにそれは、受け手として見ていても感じます。 バブルが崩壊した後は、スーパーやコンビニが個人の消費者にとって代わりました。流通の棚に自分たちの商品スペースを確保するために、たくさん広告を打つと、クライアントの姿勢が変わっていったんです。そこから日本の広告はダメになっていきましたね。 ―― 消費者に直接、届けるメッセージではなく、棚を取るための広告になっているんですか。 そう、広告の向いている先が、いちばん大事な個人のお客さんではなく、コンビニの担当者になっている。そんな状況で、「今度のCMはキムタクを使って、これぐらいの量でやります」というと、お店の人はもう量と目立ち方が分かるので、「それならいいところ
―― 「日経ビジネスオンライン」のようなウェブサイトでは、「この画面を何人が見ました」、という数字がはっきりと出ます。広告をいただく場合、そこがクライアントを安心させる特徴にもなりますが、一方でこれが、広告というものの性格を大きく変えました。簡単に言えば、クライアントは広告に即効性を求めるようになったんです。 小田桐 テレビや新聞、雑誌の広告では、効果を明確な数字では出せませんからね。ウェブの登場で、コミュニケーションも数字に置き換えないと信用しない、という意識が拡大していますね。でも、広告は何のためにあるか、という原点に立ち返ると、それは「ブランドを作るため」なんです。ブランドを作るために必要なことは、数字だけではないはずです。 コミュニケーションを数字に置き換える弊害 ブランドの構築とは短期間の利益じゃなくて、将来の利益に向かっていくことです。もちろんクライアントもその重要性は分かって
―― 「日経ビジネスオンライン」のようなウェブサイトでは、「この画面を何人が見ました」、という数字がはっきりと出ます。広告をいただく場合、そこがクライアントを安心させる特徴にもなりますが、一方でこれが、広告というものの性格を大きく変えました。簡単に言えば、クライアントは広告に即効性を求めるようになったんです。 小田桐 テレビや新聞、雑誌の広告では、効果を明確な数字では出せませんからね。ウェブの登場で、コミュニケーションも数字に置き換えないと信用しない、という意識が拡大していますね。でも、広告は何のためにあるか、という原点に立ち返ると、それは「ブランドを作るため」なんです。ブランドを作るために必要なことは、数字だけではないはずです。 コミュニケーションを数字に置き換える弊害 ブランドの構築とは短期間の利益じゃなくて、将来の利益に向かっていくことです。もちろんクライアントもその重要性は分かって
リリース、障害情報などのサービスのお知らせ
最新の人気エントリーの配信
処理を実行中です
j次のブックマーク
k前のブックマーク
lあとで読む
eコメント一覧を開く
oページを開く