月が替わって、ツキも変わった？　予選７Ｒは森川大輔（２８＝岐阜）が自慢のダッシュを生かしたまくりで快勝した。 根本哲吏の番手がもつれて離れたところをシャープにまくり切った。「先月がだいぶダメだったので、今日は気持ちを切り替えて集中して走れた」と、安堵（あんど）の表情を浮かべていた。 森川にとって、９月は苦い思い出だけが残った。「あれでリズムが崩れた」と振り返るのが、地元岐阜Ｇ３初日の車体故障だ。人気を集めながらクリップバンドが切れるアクシデントで９着敗退。オールスターも３日目で帰郷。見せ場は作れなかった。「体のバランスも悪かった。（８月前橋の）落車影響も残っていたのかもしれない」。１０月に入り、心機一転でつかんだ白星。準決１０Ｒでは山内卓也と初連係となる。今年６月に決めた、連続優勝の勢いを取り戻してみせる。

柴田光（４３＝群馬）が、好素性の４８号機を引き、早くも評判の足だ。 「スタートする足は問題なかった。まだ乗り心地に違和感はあったけどね」と話すがまんざらでもなさそう。丸亀は好相性の水面。Ａ１勝負もかかる。「勢いをつけていきたいね」と初日から飛ばす意気込みだ。

田中信一郎（４２＝大阪）が完璧なイン速攻を決めた。 ５対１の進入、中へこみの隊形にも動じず、押し切った。高松宮記念は３６、３９回大会に続き３回目の制覇となった。「次節、年末のことは考えず、今日が勝ちたかった」。獲得賞金は５５００万円を超えランク８位に上昇、年末のＳＧグランプリ（住之江）出場へ、当確ランプをともした。１、２Ｍとも握った西村拓也が２着、３着は峰竜太が２周１Ｍで中島孝平を逆転した。

尾嶋一広（２８＝兵庫）が圧倒的な前検１番時計をたたき出した。 引き当てた５６号機は複勝率５１・３％のハイアベレージを誇るだけに「ペラは少したたいた。悪くないですよ。スタートする感じが良かった」とにこにこ顔で手応えを口にする。Ａ１勝負がかかる尾嶋にとっては、５６号機が心強いパートナーになりそうだ。

１予９Ｒで地元期待の野口大誠（２６）は絶好の４番手からバックまくりを放ったが、出切れず不発に終わった。 それでも野口にスピードをもらった合志正臣（３８＝熊本）が１着で、ラインには貢献した。自身も３着に粘り込んだが「いつもの感じならしっかり出切れていたはず。足はまだまだ」と悔しがっていた。 「２予は足よりも気持ちで頑張る」と気合を入れ直した。

中村亮太（３４＝長崎）が３日目の２走を２、１着にまとめ、準優１１Ｒの１号艇を勝ち取った。 「出足、回り足がいい。伸びはそこそこあるが、それでも岡田選手の方が強めだった」とまずまずの気配だ。準優は警戒する岡田憲行との対戦。しっかり退けて優勝戦進出を狙う。

準々決勝１０Ｒの森且行は、金子大輔には抜かれたものの３番手を引き離して２着に入った。得点を加算して余裕十分に準決に進出した。 「１、２角がうまく曲がれなくて、立ち上がりで滑る。もっと冷えないとタイヤに負担がかかる」。 セット調整で合わせ切れていないが、時計を大幅に詰めて機力アップは明らかだ。森は１４年５月黒潮杯以来のＧ１優出を懸けて９Ｒで勝負駆けに出る。

樋口由加里（２７＝岡山）が連勝を飾って、予選をトップで通過した。 前半５Ｒは２コース、後半１０Ｒは４コースから、ともにトップスタートを決めてまくり切った。 「伸びは少しいい程度。舟の向きが甘いから出足を求めたい」と、準進戦はスロー向きへシフトして首位を譲らない。

高谷敏史（３０＝青森）が仕切り直しの準決に臨む。 初日は打鐘から里見恒平ともがきあった末に番手にはまった。最終２角から番手まくりを放ったが、大外を強襲した斎藤正国にゴール寸前で屈した。 「踏み合った時に足を使ってしまった」。勝利を目前にして直線の伸びを欠いた点に反省しきり。 準決９Ｒは先行意欲が旺盛な笠松将太を撃破して２場所連続で決勝進出だ。

伊藤誠二（４１＝愛知）が準優１２Ｒを勝ち、優勝戦の１枠を手に入れた。 「すごく出てますね。伸び中心に良くて、出足、回り足もいいと思う」とエンジンは不安のない仕上がり。今年２回目の優勝へ、最後も先マイ一気の逃走に出る。

林美憲（４０＝徳島）がメーンドリーム戦を２コースから差して１着。 逃げた前半９Ｒと合わせてただ１人、連勝を決めた。９Ｒ前にギアケースを交換。「良くなりました。出足型でスリットも伸びる感じがあります」と手応えを上向かせた。２日目３、１１Ｒは外枠での登場となるが持ち前の巧ハンドルで克服する。

現在の適用勝率わずか１点台、今期勝率も２点台にとどまる宇田川信一（２４＝東京）が、３連単４万円台のビッグ配当を提供した。 １号艇シード番組の７Ｒで、３コースからツケマイを決め、人気を集めたＡ１級を沈めた。１Ｍは「想定内です。かかり、舟が返ってくる足もいい」と胸を張った。今年２勝目、通算９勝目の勝ち星となったが、初日から積極性を見せており、３日目も侮れない。

向所浩二（４２＝兵庫）が手にした３４号機は複勝率２３・０％の平凡機。 近況も伸びが芳しくなく心配される。「やっぱり良くないね。出足や回り足は悪くないけど、行き足から伸びがない。スタートも入らないもんね。とにかく自分のパターンに調整してみる。地元の調整力を見せたいと思います」。ちょっぴり苦笑いを浮かべていた。地の利を生かして、どこまで底上げができるか注目だ。

今村豊（５４＝山口）が、初日１２Ｒのドリーム戦に１号艇で登場する。 「起こしの感じは問題ない」と前検の雰囲気はまずまず。前回大会（６０周年）に続いての連覇を達成するためにも、初日からリズムに乗りたいところだ。

山口県・下関ボートの「開設６１周年記念・Ｇ１競帝王決定戦」が１１日から始まる。１６日までの６日間開催で行われる。遠征勢では昨年の賞金王・菊地孝平（３７＝静岡）に注目だ。９月の徳山でフライング休みから復帰。近況を聞いた。 －この休み中の過ごし方は 菊地　静岡支部の若手で海に行き、バーベキューなどをしたりしてリフレッシュしました。 －昨年はＳＧ２冠に初の賞金王と充実していた 菊地　やること全てが当たって最高の年になりました。 －ただ、今年は１月児島での優勝しかない。ここまでを振り返ると 菊地　昨年の反動はないけど、今年は良くないです。同じことをしているのに結果に結びついていない。大村のオールスターでは初日に連勝してエンジンも良かったのに、２日目に際を狙ってフライングを切ってしまった。冷静に考えるとスタート勝負する場面ではなかった。 －出力低減エンジンになった影響は 菊地　このタイプのエンジンは

山口県・下関ボートの「開設６１周年記念・Ｇ１競帝王決定戦」が１１日から始まる。１６日までの６日間開催で行われる。超豪華なメンバーが集結する中、シリーズを引っ張るのは地元勢。中でも５６、５９周年で２回のＶがある寺田祥（３７＝山口）に注目。今年を振り返り、来年への強い思いを聞いた。また、今回は、トリプルドリーム戦が組まれている。初日から３日目までの１２Ｒはいずれも主力がぶつかる大激戦だ。 寺田祥が得意の下関水面で復活を誓った。昨年は、３月の下関５９周年でＶ。８月、若松のボートレースメモリアルでは優出３着と活躍した。それだけに今年にかける思いも強かったが、ここまでＧ１優勝はゼロ。ＳＧでも予選突破が１回だけと、その結果は意図していたものとは大きく違った。 寺田　今年は最初からつまずいた感じでしたね。出遅れ休みもあって、まったく勘がつかめずにクラシックに行ってしまった。結局、調子も上がらずに惨敗しま

２班の須永優太が強い。７月京王閣Ｖを皮切りに８月熊本、９月平塚を連続Ｖ。初日連対率１０割で準決進出中だ。「たまたまです」。いつも通りのおとぼけモードだが、今期は７場所２１走して１２勝を挙げ、優勝３回。予選スタートの２班だけに価値がある。 Ｓ級から陥落したチャレンジ戦も昨年１２月に特別昇班で脱出。「新人を相手に緊張感のあるスピードレースから得るものは多かった」。Ｓ級復帰へ、いい経験を積んだ。失格を含めた事故点累積で来期も２班は濃厚だが「タテ足発揮で自分のレース」と明確な意志がある。３分戦の９Ｒも快勝発進だ。

堅実なレースぶりに定評がある佐々木和伸が、初日９Ｒで６・５９の展示タイムをたたき出した。初日は６・６０台がほかに４人いたが、破格の数字に場内のファンから「すごいタイム」との声が上がった。結果は危なげないイン逃げ。「ちょっと重いが悪くない。ピット離れもいい。回転も直線はちょうどいい」と評価する。 １２Ｒは４着止まりだったものの、ターン回りに上積みがあれば、優勝争いは十分に可能なムードだ。２日目は５、１１Ｒに登場。引き続き目が離せない。

安定板が外れた２日目、地元の木下陽介に笑顔が戻ってきた。「ペラ、ギアケースにチルトとやって、全体的に底上げできた」。 特に良くなったのは一番欲しかったレース足だ。前半７Ｒは早いスタート合戦にコンマ０３と冷や汗をかいたが２着を確保した。「たぶんこれがこのエンジン本来の足なんでしょうね」と話す声も弾む。またＡ１昇格が見えており予選残り２日、地元平和島でしっかりと結果を出す。

やっと０％地獄を脱出した。初日３Ｒ、小島幸弘がイン逃げを決め、約３カ月もの間、１度も２連対に絡めなかった６１号機に初連対＆勝利をもたらした。「悪くないというか、むしろええ方かも。起こしも気にならんし、１Ｍもうまく回れた」。 ピストンとギアケースの中間整備に小島流ペラ調整のスパイスで、ワースト機が完全に生まれ変わった。２日目は強豪がそろう外枠２走になるが、いつも通りの前付けで主力勢をかく乱する。