優勝戦が行われ、三角哲男（51＝東京）が2Mでツケマイを決めて当地初優勝を飾った。2着に荻野裕介、3着には奈須啓太が入った。 「今年で一番うれしいレース」。見事な逆転劇に三角は満面の笑みになった。 インから好スタートを決めて1Mは先マイしたが「2艇に差されたので終わったと思った」。 バックは荻野と奈須に並ばれる苦しい展開。だが2Mで「思い切って回ったら、うまくいった」という全速ターンを披露し、2艇を振り切った。 これで、芦屋を残して全24場制覇に王手。 「芦屋はあまり走っていないけど、あっせんが入れば頑張りたい。それより、どのレースも一走一走しっかり走ります」と健闘を誓った。

地元の中村雅人（37＝川口）が、さばき巧者の本領を発揮した。 初日10Rはスタートで10前の梅内幹雄と同ハンの笠木美孝を押さえて序盤で展開を作った。着実に順位を上げ、5周1角で逃げた清水雄平をとらえて快勝した。 「少し伸びがない感じ。タイヤの跳ねは許容範囲。キャブのセッティングを変えて練習する」。 グランドスラマーは準決11Rで連勝を決めて、今年2回目の優勝を目指す。

「発祥地ナイター」がいよいよ開幕する。 初日12Rの発祥地選抜は1枠に地元エースの原田幸哉（42＝長崎）が座る。前走地の徳山で24場制覇を達成したばかり。今節も期待がかかる。 引いた49号機には「足うんぬんではなく、やるべきことがたくさんある感じ。合格のレベルではない」。 本番に向けて底上げを目指す。

準決10Rでグレーツァー（28＝オーストラリア）が逃げ切り、14連勝を決めた。短期登録選手としてクランプトン（英国）とブフリ（オランダ）の13連勝を更新した。 新記録に関してグレーツァーは「2カ月にわたって目標にしてきたこと。大変うれしい。決勝でも1勝する」と5度目の完全Vも視野に入れる。 この後は帰国してニュージーランドで行われるオセアニア選手権に参加するなど競技中心の生活に入り、来年また来日する予定だ。

星栄爾（33＝静岡）が抜群の伸びを発揮する。 4日目は1、3着にまとめ、準優勝負駆けに成功。 大激戦の準優11Rは4号艇におさまった。「スリットの足はいい。伸びでやれるひとはいない」と変わらず強力な舟足を誇っている。 松井繁、吉川元浩、田中信一郎を向こうに回してカドから強烈なまくりを見舞うか。

松本晶恵（31＝群馬）が久しぶりの実戦に臨む。8月のお盆レースで地元Vを飾ったあとは、出場予定だった鳴門のヴィーナスシリーズが台風の影響で開催中止となり、約1カ月レース間隔が空いた。 「レースには徐々に慣れていければと思ってます。出足を付ける調整が合ってくれば、他も良くなるはず」。 初日は8、12Rで登場。調整に正解を出して、早めにレース勘を取り戻す。

西野雄貴（28＝徳島）が2Rは逃げ、9Rはまくり差しで連勝を飾った。 12R終了後にG1初勝利を記念して水神祭が行われた。村松修二（27＝広島）や中村桃佳（25＝香川）ら、114期の同期7人で一緒に水面に飛び込んだ。 西野は「仲間が喜んでくれて本当に幸せ。これからも114期全員で高め合っていきたい」とさらなる飛躍を誓った。

小野生奈（29＝福岡）がSG6勝のオートレーサー、鈴木圭一郎（23＝浜松）の激励を受けた。 鈴木が中田竜太とのトークショーを終了後、ピットへ訪問して対面が実現。 「すごい人なので、緊張しました。手がまめだらけだったのでびっくり。あの手を見たら、まだまだ私は仕事が甘いなって思いました」と感激の表情を浮かべた。

村岡賢人（28＝岡山）が12Rで2コースからコンマ02の勇み足。 準優好枠を意識した一戦で、鋭い踏み込みが、スリットオーバーにつながってしまった。 「足自体は変わってませんでした…」。 エース29号機を駆っての賞典除外に、短い言葉を絞り出すのが精いっぱいだった。

F2の北山康介（28＝東京）は、予選ラストの4日目は3、4着と見せ場を作れなかったが、節間2勝の活躍。得点率11位で予選をクリアした。 「回転を止め過ぎたけど、足はいいです。道中の感じがいい。トップ級だと思う」。 コンビを組む33号機は複勝率44・5％。お盆開催で地元の徳増秀樹が使用してから急上昇中だ。 4号艇で挑む準優11Rも、しぶとい走りから目が離せない。

古賀繁輝（32＝佐賀）が、早くも1日早い勝負駆けを迎える。 初日11Rは5コースから差し場をとらえたはずが、引き波で舟が浮き4着まで。プロペラの回転不足を反省した。それでも「試運転はバランスが取れていいです。自分が合わせられれば」と伸びしろは見込める。 2日目も5R4枠、12R6枠と外枠続き。ここをしのいで、3日目の優出勝負に望みをつなぎたい。

遠藤エミ（30＝滋賀）が準優12Rを逃げて優勝戦1号艇におさまった。 遠藤はこれまで江戸川で3節走っているが、15年9月、今年5月ともに優勝戦は逃げて優勝。しかも、江戸川でのイン戦は15年9月に3回、今年5月が2回、今節ここまで3回と計8回あり、全て1着。江戸川でのイン勝率は脅威の100％を継続中だ。 エンジンは「4日目に気になっていたところがなくなって、今は気になるところがない。バランスが取れて上位の足」。 優勝戦は江戸川9回目のイン戦。きっちり逃げて、当地3回目の優勝を決める。

下出卓矢（31＝福井）が連勝を飾った。 前半4Rでセンターから混戦の1Mを差し抜けると、後半9Rはチルト1度に上げて大ガマシ。インで残しにかかる都築正治（47＝愛知）を2Mでさばいた。 「6コースで伸びだけイメージしてチルトを上げました。伸び寄りですが、自分の出方とは違う。チルトを下げて伸びを求めたいですね」。 さらなるパワーアップに余念がない。中盤戦も展示気配から目が離せない存在だ。

メインの12R「たなみんドリーム」は、1号艇の森高一真（40＝香川）が、インからコンマ13のトップスタートを決めて押し切った。 これで初日は2、1着と上々の船出となったが、森高の表情に笑顔はなかった。 「前半と変わらない。全体に劣勢。先頭を走っていても乗り心地が良くない。またペラをやる」。 結果は良くても、エンジンの仕上がりに納得はできない。少しでも足の上積みを求めて、調整をし続ける。

石野貴之（36＝大阪）が連勝発進を決めた。 6Rは5コースから艇団を割って抜け出し。12Rファン選抜でも逃げて快勝した。 「足は全部いい。もっと良くなりそうな感じもある」と笑顔。早くも23号機の良機ぶりを実感していた。

山田哲也（35＝東京）が12Rドリーム戦をまくって制した。 3コースからコンマ13のスタートを決めて1Mを先制した。「軽快さが出て、ターンで滑る感じもなくなった」と気配もいい。このままリズムに乗って、予選最終日の3日目に挑む。

太田美穂（22＝三重）が予1・6Rで逃げて3着とまずまずの滑り出し。太田は「ホームの向かい風がきつくて、名古屋バンクは先行有利と言われたけど、よく分からなかった」と苦笑いで話した。 それでも、ハンドルを少し前に出す新しいセッティングを試して「悪くないですね」と表情も明るかった。

オープニングレースは、直線突き抜けた上原龍（33＝長野）が制した。 「同期でアマチュアから一緒にやっていた」という相川永伍の番手だったが、最終3角でもまだ9番手。そこから外を踏んだ相川に対し、内を踏んで直線は間を割って突き抜けた。「いつもならバックを踏むところ。ラッキーでした」と上原。相川も大外を伸びて4着に入り、ともに予選を突破。レースを振り返りながら、ともに笑顔だった。

9R発売中にボートレーサー中田竜太（30＝埼玉）と、オートレーサーで前人未到の4連覇を含む、SG6冠の鈴木圭一郎（23＝浜松）が、トークショーを行った。 SG優勝戦でも、多くのファンの前でも冷静さを保ち、さらに愛車の名前がカルマ（イタリア語で冷静）の鈴木に対し、中田は若干、押され気味。「何か恥ずかしくなってきます。人間として（鈴木が）ちゃんとし過ぎてて（苦笑）。僕の方がちゃらんぽらんですね」と昨年のヤングダービー覇者は、たじたじだった。

向日町にレーサーパンダくんが登場！　初めて静岡競輪場で開催される「KEIRINグランプリ2018」をPRするため、同競輪場のマスコットキャラクター・レーサーパンダくんを隊長とするキャラバン隊が向日町競輪場に姿を見せた。 グランプリアンバサダーのグラビアアイドル桜井奈津、歌手の太田克樹、静岡所属の渋谷征広選手らとともに、グランプリ開幕までに全国9地区をPRして回る。「グランプリにかけて盛り上がってもらえれば」と桜井。また渋谷は「京都からも新幹線で2時間ほど。ぜひ、静岡競輪場へ」とアピールした。

【窪寺伸行・方艇式】 今節の「ニッカン・コム」杯は、近5年の戸田勝率上位者から選抜され、当地SG優勝歴のある西村勝、馬袋も登場。4日間の短期シリーズで行われる。まだ確固たるエース機は不在だが、気配に最も安定感のある11号機は宇佐見へ、前回Vの9号機は山崎に渡った。山崎は6秒64の1番時計をマークした。 ドリーム組は、6人ともエンジン複勝率が30％台。ただし、機歴は西村拓、松村、烏野が優勢。試運転を含め、西村拓の動きが1歩リードする。吉田一も同班選手から「分がいい」との評価を得た。一方、森高や馬袋は現状不安を抱える。それでも森高の前検タイムは6秒66の3位。枠に底力も含め、本命を託した。馬袋もテクが頼り。烏野は以前快速だった25号機の片りんはなく、本体点検に入った。

西村拓也が早くも好感触をつかんだ。28号機の複勝率は33・3％だが、パワーは数字以上。試運転は烏野賢太より強めの動きを見せた。「足合わせは良かったです。何かいい気がするんですよ、12年の経験では。タイムも出るんちゃうかな？」と笑った。 前検タイムは6秒69の6位タイ。「あれ、回り過ぎのせいかな。合えばもっと出そう」と期待を寄せた。初日は2R4枠、12R5枠。枠は遠めでも予感を結果で実証する。

【3連単狙い打ち】 前検日は気温が18度まで冷え込んだ。前節とは約8度もの差。さすがに「回り過ぎ」とのコメントが目立った。それでも初日の予報では25度前後に回復。前節、好気配だったエンジンと組む選手を狙う。 ◆5R　宇佐見の11号機もいいが、前節は松村の59号機の方が目立った。4カドなら松村は攻撃力を存分に発揮できる。（4）（5）、（4）（6）流し。 ◆11R　石田の33号機も前節、行き足が軽快だった。さばきもあり、人気の下がる外枠でこそ面白い。中辻との（6）（1）（4）、（6）（1）（5）のダブルBOX。 ◆12R　内枠勢の上積みがないと西村、吉田の連動も一考。（5）＝（4）流し。

【今日の全全】 ◆8R　3連単（7）全全 近畿勢が人気を集めそうな構成だが、面白いのは福岡コンビ。「練習もできたし感じは悪くない」と言う津村が近畿勢より先に仕掛けることができれば、番手松尾の勝機だ。 ◆9R　3連単（7）全全 徳島両者が中心の構成。ただ、金沢が抵抗して足を使う形になれば、近況まくり好調な岸沢が、タイミングを見計らって一撃を繰り出す。

岩本俊介は、左鎖骨の骨折で約2カ月の長期欠場明け2戦目を迎える。前場所の共同通信社杯から中3日だが「久々のレースだったし疲れもあったので、少し休みました」。心身ともにケアし「言い訳できないくらい状態は戻っている」と感触は上々だ。 向日町は今年2度目。2班で出走した5月には優勝を飾っており「向日町は走りやすい、相性のいいバンク。うまく仕掛けられれば」と手応え十分の様子だ。

【オカダ・ラインマーカー】 生まれ故郷の広島に続いて、すでに10年ほど住んでいる向日市は、いわば第2の地元。競輪場まで歩いて5分。向日町G3は競馬記者時代に知り合った競輪好きの競馬関係者と特観席でにぎやかに観戦するのが定番だった。今年は参戦できそうにないが、その分しっかりお仕事して、いい情報を伝えられればと思う。 ◆10R　5月の当地では＜6＞＜1＞＜1＞で優勝。決勝では1角まくりで近畿勢以下をねじ伏せた岩本。欠場明け2戦目ながら、バンク相性の良さは疑いの余地なし。番手岡村とのG前勝負とみて3連単（9）＝（4）から3着総流し14点。

【杉森洋一・攻めダルマ】 重鎮村上義弘が不在の向日町G3は、近年初めて経験する。いつものピリピリ感がないのはホッとする半面、寂しい。後に残った京都勢には村上魂を継承する熱い走りを期待したい。 ◆2R　軸になる岡本はまだ本調子には遠い。まして一戸の反撃は必至。双方でもつれると小岩－松本の九州勢が付いてやる気満々の野村がまくる。（4）から（1）（2）（3）（7）（9）の2、3着。 ◆5R　小嶋のパワーに期待したが、相変わらずもろさも同居。対する才迫も同様のタイプなら、穴で青森勢を連れて3車渡部のまくり一撃が魅力。（3）から（1）（2）（5）（7）（8）の2、3着。

【12R：特選・決断】 本命は三谷だ。共同通信社杯2予の敗退は判断ミスで、状態に関しては問題がない。鋭い自力で別線を攻略する。マーク稲垣がどこまで迫るか。うまく好位をキープすれば、まくり絶好調の近藤隆の一撃も十分。 三谷　前回後も練習はしてきた。自力でやります。 園田　初日が37歳の誕生日。松川君に任せる。 小林　中0日は初めてですね。決めずにやります。 近藤龍　近畿の後ろへ。 斉藤　近藤隆君に。 松川　自力でやります。 稲垣　少し疲れはあるが、信頼できる三谷君にしっかり付いていく。 山中　前回は心身ともに疲れました。九州勢の後ろで頑張ります。 近藤隆　自力でやる。

【11R：特選・決断】 山田－村上で攻める地元両者が中心。本命は番手を回る村上だ。負傷欠場した兄の分もと、気合の走りでしのぐ。だが、共同通信社杯で決勝2着の清水の勢いも強力。その清水を追う池田の伸びも圏内だ。 山田　少し早く仕上がり過ぎたかもしれないが、しっかり調整できた。自力。 牛山　杉森君へ。 堤　中国勢の後ろ。 成清　1人でやります。 池田　清水君に。踏み出しに集中して、あとは好きに走ってもらえば。 神田　村上さんへ。 清水　前回の後は少しゆっくりした。先行基本に。 杉森　中3日だし軽く調整する程度で、疲れを抜く感じできた。自力で。 村上　山田君の後ろ。

中川りなが4日目1、2着と勝負駆けに成功して準優11Rの3号艇だ。「スタートしてからの感じがいい。起こしからの行き足も、自分ではそれほどでも…、と思うけど周りからはいいね、と言われます」。27号機は複勝率（37・2％）以上の動きだ。 師匠は江戸川巧者の中辻崇人。「この開催が終わったら、師匠とご飯を食べに行くんです」。師匠にいい報告ができるよう、3コースからまくって昨年12月丸亀以来の優出を狙う。

準決5Rに登場する荒木伸哉（39＝静岡）は単騎戦を選択した。金ケ江勇気に片折亮太、会沢龍との3分戦。特に金ケ江勇気の3番手は魅力的だが「位置は決めずに」とのコメントになった。 最近は若手との練習で刺激を入れているという。「連絡を取り合ってバンクに来られる人とやっています。向こうが練習になっているかどうかわからないですけどね」と笑う。 いまだ自力健在なのも若手との練習のたまものに違いない。激戦をどう突破するか注目だ。

予選4Rは、坂本拓也（32＝福島）が打鐘からの逃げ切りに成功した。 先頭に立ってからは、重注が付くイエローラインをギリギリで踏み切らない芸術的な走りで別線を翻弄（ほんろう）。「イエローラインは見てなかったですね。危なかったですか？」と驚きの表情で、レース同様ひょうひょうとしていた。 宇都宮はチャレンジ時代に6戦2勝、着外はわずか1と上々の成績。それでも「相性悪いです、宇都宮！」と完全否定で笑わせた。 豪華メンバーのそろった準決7Rを勝てば、もう否定できない？