生活保護もドラマ化 一方で悠子は理紀の行動を大目に見る。寛容なわけではない。基との暮らしを守るため、代理母プロジェクトを失敗させたかったのだ。一方、基の子供が欲しい理由は自分の遺伝子を残したいから。悠子の気持ちは二の次。エゴイストだった。 リアリティに満ちた作品だったものの、登場人物の誰にも共感しにくかった。この点でも民放での作品化は難しかったはず。民放作品はほぼ例外なく共感を求める。ちなみに欧米ドラマは登場人物に共感できないものが多い。ドラマは共感できなくても面白くなるのである。 5月6日に放送されたスペシャルドラマ「むこう岸」も大きな反響を呼んだが、やはり民放で放送するのは無理だったはず。生活保護家庭で暮らすヤングケアラーを中心に物語が進むからである。世間には生活保護を批判する向きもある。そういったテーマを民放は避けることが多い。 主人公は生活保護家庭で暮らし、母親の介護をする中学3年