英国の欧州連合(EU)離脱は今後の展開が定かではないが、どのような展開をたどろうと離脱決定は英国経済にすでに高い代償を支払わせている。雇用や投資、資本などで影響が目に見えて表れている。 各分野の影響は以下の通りだ。 金融 世界の金融大手が欧州での拠点再構築に動く中で、ロンドンの金融街からは資金と雇用が着実に流出を続けている。事情に詳しい関係者によると、大手5行はバランスシート上の資産で合計7500億ユーロ(約94兆円)をフランクフルトに移転させる。 ロンドンから異動したバンカーの数は当初見込まれたよりも少ないが、それでも世界の金融大手は数千人をパリやダブリン、マドリードなどに動かす計画を打ち出している。いったん異動が決まった職はもうロンドンに戻ってこない可能性が高いと、英金融街シティーのロビー団体「ザ・シティーUK」は指摘する。