水琴窟とは 昭和50年代に朝日新聞やNHKなどのマスコミによって広く知られるようになった水琴窟。そのルーツを探ると、江戸時代まで遡ることができます。排水を目的として創案された、庭園施設における同じ系統の用語に「洞水門」があります。現在、伝承される「水琴窟」はそれを起源としたものと考えられていますが、起源についての詳細は依然として不明です。「水琴窟」の語の発祥についても同様です。 一般的には蹲踞(つくばい)や縁先手水鉢の鉢前(うみ)の地下に造られたものです。その構造の多くは、底に小さな穴を開けた甕を伏せて埋め、手水の余水が甕の天井から「しずく」となって落ちるように工夫した、一種の発音装置(音具)です。 伏せ甕の底に溜まった水面に落ちる水滴の音が甕の空洞で共鳴し、琴の音に似た妙なる音を響かせることから、いつの頃からか水琴窟と呼ばれるようになりました。 明治から大正、昭和初期を経て、戦後は全く忘