恋愛感情と愛情 はじめに 洋の東西を問わず、結婚後しばらくたった夫婦には、“倦怠期”と呼ばれる段階の訪れることが知られています。人もうらやむほど相思相愛の仲にあるふたりが、結婚式で変わらぬ愛を誓い、文字通り仲むつまじい新婚生活を始めたとしても、そのうち「犬も食わない」と言われる夫婦げんかをするようになり、3、4年もすれば、当初の約束はどこへやら、“愛情”もほとんど消えうせて、互いの一挙手一投足が気になり始めるわけです。そして、あろうことか、「あばたもえくぼ」であこがれの的だったはずの相手の欠点ばかりが、やたらと目や鼻につくようになり、場合によっては、相手と顔を合わせることすら苦痛になってくるのです。のみならず、相手の足音を聞いたり姿を見たりするだけで、さまざまな心身症状を出現させる人たちもいます。この普遍的現象は、まさにその存在が遍く知られており、実にふしぎな過程であるにもかかわらず、その