私は日本で起業しましたが、本音を言えば生まれ育った中国で会社を始めたかった。それは親、兄弟だけではなく、昔から知っている親友がいたからです。大学院卒業後まもなく会社を立ち上げた私にとって、一番辛かったのが信用できる協力者がいないことでした。「信用」は組織管理やチームワークの基本です。我ながら「信用」がない中、よく起業できたなと思います。 経営者時代は、信用できない人材でも使わざるを得なかった。決して私は他人を信じやすい善人ではありません。たとえ信用できない人がいても、そのリスクを減らすシステムを作ったのです。むしろ「信用」に頼らない心構えが、経営者としての私を成長させてくれたといえるでしょう。 家族や信用できる友人と会社を始めても、経営規模を拡大させれば、見知らぬ人間と仕事をする機会は必ず出てきます。その中には裏切る人も出てくるでしょう。信用していた部下が、豹変して別な顔を見せることもよく