現下の東アジア国際政治というのは、米中二大パワーのリアルポリティークと、日韓の情緒政治の絡み合いが、国際政治学と社会心理学の教科書のようにおもしろい。 構図としては、勃興する中国パワーを押さえ込みたい超大国アメリカ、その忠実な子分格の日本と韓国、なんだが、いずれも自己愛ナショナリズム(「なんて可哀想な私の国」症候群)に満ちているので、中国がそれをうまく活用している。 アメリカからすれば、アメリカに忠実に中国に対抗してくれる限りで日本の右派は有用なんだが、そこに踏み出してくれるようなのに限って、大東亜戦争の大義を唱えたがる、というジレンマ。下手をするとアメリカの正義を批判したりする。タリバン現象。靖国などに見向きもせずに集団的自衛権に熱心な政治勢力が望ましいのだが、なかなかそう都合よくいかない。 ここをうまく衝いて、第二次大戦の同盟関係を想起させるのが中国の戦略。南京事件への歴史修正主義なん