<ネアンデルタール人と現生人類との違いはごくわずかだった。では、どうして私たちが地球で生き残ったのか> 地球上から姿を消して4万年近く。いまネアンデルタール人が脚光を浴びている。 近年の研究によると、太古の時代に生きた太い眉の私たちの親戚たちは、料理人であり、宝石職人であり、画家でもあったらしい。昨年は、ネアンデルタール人の遺伝学的研究の業績により、スウェーデンの古遺伝学者スバンテ・ペーボがノーベル医学・生理学賞を受賞している。 最も新しい発見を見れば、いま科学者たちの目の色が変わっている理由がよく理解できる。 ロシア・シベリア南部のアルタイ山脈にあるチャギルスカヤ洞窟は、ネアンデルタール人の基準からすると、ゴージャスな邸宅と言えるだろう。崖近くの洞窟には2つの部屋があり、入り口からは広大な渓谷を見渡せる。洞窟の住人たちは、緑豊かな土地を移動する馬やバイソンなどの獲物をすぐに見つけられたは
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