『週刊ダイヤモンド』のインタビュー連載は「デフレ日本長期低迷の検証」ですから、日本国内の問題限定であることに異議を唱えた私は、ちと空気が読めないというより、日本語が不自由なようです。第5回は岩本康志氏で、この連載でもっとも共感するところが多かったです。「前回のデフレ」と「今回のデフレ」はやや図式的な印象もありますが、今回は日本の金融機関が不良債権問題をあまり抱えていないという相違は事実でしょう。他方、「今回のデフレ」で気になるのは、不良債権問題を抱えていないのにもかかわらず、金融仲介機能が低下していることでしょうか。やはり、世界経済の落ち込みと外需の急激な減少による実体経済への影響は、むしろ「今回のデフレ」の深刻さを示しているのかもしれません。 このインタビューを読みながら、そうしてみると、今回の金融危機は、欧米の金融機関にとっては深い傷を負わせたのだろうと。一時期は、アメリカの金融機関の