大統領が誕生して100日が経つと、あちらの国ではメディアが政権評価を行う。難局に立ち向かうオバマ大統領には高い評価が与えられた。こちらの国で麻生政権が100日を迎えた頃、メディアの評価は「漢字が読めない」、「連夜のバー通い」と散々だった。この国には政権の姿が見える100日後から評価を始める習慣がないので、同列には論じられないが、政治の本質とは関係のない「下世話」な評価ばかりでうんざりした。それより麻生政権がどのような権力に支えられ、どのような政治を目指しているかを読み解く方が重要である。政権発足200日を越えた所で、分かった事を整理してみる。 国民に選ばれる大統領とは違い、麻生総理を選んだのは自民党である。だからまず自民党の政治力学を見る必要がある。総裁選挙で麻生氏を選んだのは党員票の95%、国会議員票の56%である。圧倒的に党員の支持が多い。理由は小泉改革路線に多くの党員が疑問を抱いた