見切り発車 カジノでまさかの結果に 緑のポケットに白球を沈めたまま、 ルーレット盤はゆっくりと旋回していた。 僕と黒服の女性従業員は、つかのま それをみつめていた。 僕は赤とは別に、15ドルを「0」という 数字に賭けていた。 数字に当たれば、36倍、つまりそれは、 540ドル、日本円にして5万円となった。 画面上の僕のクレジット残高が、一気に 1500ドルを超えた。 最後の最後に、まくれるなんて奇跡に 等しい。 現実は大抵の場合、ギャンブラーを 地の底の底まで突き落とすからだ。 さすがにもうやめよう、と僕は思った。 これでプラスは200ドルを超えたわけで、 ここから続けるとなるとどこを目指して いいかがわからない。徹夜になりかねないし、 また残高がきれいになくなるにも そう時間がかからない可能性だってある。 もうやめる、と僕がいうと、 ベトナム人女性の黒服従業員は、ほっと したような顔をみ
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