コオロギの食材化を目指す 徳島大准教授 三戸太郎さん(46) 体長2センチ強のフタホシコオロギを凍結乾燥させ、粉末に。「たこ焼きにかけるとうまいんです」 今夏にも、粉末や、それを使った加工食品を開発・販売する大学発ベンチャーの起業を同僚と目指す。消費者の反応を考え、「虫感」のある商品は避ける予定だ。 専門は昆虫の発生と進化。東京や千葉で育ち、虫などの採集が好きな少年だった。「なぜこんな姿に?」。そんな疑問が原点だ。 昆虫食について研究仲間から聞いたのは3年前。調べると、昆虫は高たんぱくで、国連機関が人口増による食料危機の解決策として提言していた。なかでもコオロギは食用によく使われていた。実験で使うフタホシコオロギなら、繁殖など飼育ノウハウの蓄積は十分。「役に立てるかも」 ただ、「食材」とは思えなかった。半信半疑で素揚げなどで食べてみた。するとエビのように濃いうまみ。「え、おいしい!」 干し