消えた「消費増税」の文言 6月9日、政府は経済財政運営の基本策となる「骨太方針」を閣議決定した。注目すべきポイントとしては、過去の骨太方針に再三盛り込まれていた「消費増税」への言及が消えていることだ。 これに肝を冷やしているのは、もちろん財務省をはじめとした増税論者たちである。2度延期されている再増税が、政府内で議論すら行われなくなるかもしれないからだ。政府がこのような方針を示したことには、どのような意味があるのか。 '16年の「骨太方針」では、「成長と分配の好循環」の実現に向け、「経済再生なくして財政健全化なし」を基本とし、消費税率の10%への引上げを'19年10月まで2年半延期するとともに、'20年度の基礎的財政収支(プライマリーバランス)黒字化の達成を目標とする、と記されていた。 しかし、先頃公表された'17年の「骨太方針」では、「経済再生なくして財政健全化なし」という基本目標から先