非成文憲法に依拠する イギリス的精神に則って言えば、 constitutionを「憲法」と訳すのは 必ずしも適切ではない。 constitutionとは、「国の成り立ち」 のことであり、必ずしも具体的な条文とは 限らない。 国の成り立ちには、様々な暗黙知 に相当するものも含まれる。 その全てを、条文で書くことが できるわけではないし、書くことが できると思いこむことが望ましい わけでもない。 イギリスでは、「首相」を 誰にするかということについて 明文規定があるわけではない。 その時々の議会に説明責任 を果たすことができる人が 選択される。 多くの場合、それは議会における 第一党の党首であろうが、 必ずしもそうであるわけではない。 そもそも、首相 (prime minister)という職位自体が、 慣例(convention)に過ぎない。 様々なミニスターの中で、首相に 当たる人が存在する