今回は、メモリーで世界ナンバーワンになったサムスン電子ではエースが集まる部署なのに、日本では左遷部署と見られている部門に焦点を当てた。 そこはマーケティング部隊である。全世界に高いアンテナを立てて顧客ニーズに目を光らせ、新しい製品の開発につなげていく。半導体産業でもマーケットインの考え方が必要だという強い信念の下に取り組んできたわけだ。それがサムスン電子が躍進する原動力になったと筆者は言う。 一方、技術に偏重する傾向がある日本の半導体メーカーは、マーケティング部隊にはあまり力を入れてこなかった。それは、そこにかける人員にまず顕著に現れている。 サムスン電子では300人ものマーケッターたちが働いているのに、日本メーカーの場合は2ケタも少ないという。つまり、10人以下だ。圧倒的な差と言ってよい。 しかも、サムスン電子の場合には特に優秀な人材がここに集まる。一方の日本は数字にも現れているように、