生ける死体(いけるしたい、独:eine lebende Leiche)とは、中世西ヨーロッパ、ゲルマン民族の間で通用していた死者の権利能力をあらわす学術用語・概念。あるいは慣用的な表現。ただし「生ける死体」という文言が史料上確認されるわけではなく、あくまで比喩的な表現である。中世ヨーロッパでは死んだ者が人間世界とは別の世界で生き続けているという観念があり、法制・法慣習に取り入れられていた。 定義と特徴[編集] 中世ヨーロッパでは、死者あるいは死体は刑事事件と財産分与などで権利能力を有した。刑事事件では、死体に刑罰が加えられることもあり、刑事裁判で原告となることができた。また死者と法的にほとんど同質のものとして扱われる平和喪失者(アハト刑[1]を受けた者のことで「人間狼 wargus」ともいう)が存在した。 刑事裁判における死体の扱い[編集] 中世ヨーロッパの刑事裁判[2]においては、殺人事