ピョンチャン(平昌)オリンピックが東アジア情勢を一変させた —— 。 将来、そう評価されるときが来るかもしれない。南北首脳会談と米朝首脳会談の実現に道を開き、核戦争の恐れが現実味を帯びた窮状を緩和したのだから。 もちろん米朝首脳会談が本当に実現するかどうか、多くの変数がある。しかし、米朝の歴史的和解が実現すれば、大国間の利益の草刈り場になってきた朝鮮半島で、「南北コリア」という新主役による初の外交成果になる。ひいてはパワーシフト(大国の重心移動)が進む東アジアの政治枠組みに波紋を広げる一石になるかもしれない。 南北接触で信頼関係構築 膠着状態に風穴を開けたのは、中国でもなければロシアでもなかった。「何としても戦争だけは防ぐ」として、アメリカの軍事行動に協力しない姿勢を鮮明にした文在寅・韓国大統領、それにこのイニシアチブに金正恩・労働党委員長が乗った「南北協力」の成果である。朝鮮半島の近・現