デッカードは、レプリカントなのか? SF映画「ブレードランナー2049」が突きつける新しい挑戦 伊藤隆太郎 朝日新聞記者(西部報道センター) SF映画の最高峰とも呼ばれる「ブレードランナー」の続編が来週、いよいよ日本で公開される。リドリー・スコット製作総指揮、ドゥニ・ヴィルヌーヴ監督の新作「ブレードランナー2049」だ。 とかく「2本目は……」と不安視する向きもありそうだが、はい、心配はご無用。試写を見ました、お見事でした。首を長くして待ってきたファンの厳しい審美眼を、きっと満足させる仕上がりになっている。 SF映画の新地平をひらく 雑誌の特集や関連の書籍も相次ぐなど、35年ぶりの続編に期待が膨らむ。前作は「クローン」「人工知能」「人造臓器」「環境汚染」といった重い主題をすえ、科学がもたらす負の側面を斬新な表現技法で描き出した。 評論家の大森望さんは、この作品を映画史全体のなかに位置づけ、