(CNN) 地中海の塩田を上空から見下ろすと、まるで抽象画のようだ。人工池を分けるように堆積(たいせき)している結晶化した塩が、緑や赤、オレンジ、ピンクのブロックの間に白の絵の具で引かれた白線のように見える。こうした色彩を生み出しているのは、浅い海の中にいる藻などの微生物だ。 これらの写真は、ドイツ人の空中写真家トム・ヘーゲン氏(27)が、人間の活動が自然界に及ぼす影響を記録するために、スペインと南フランスでドローン、熱気球、ヘリコプター、飛行機を使って撮影した。 変貌する景色 「ザ・ソルト(塩)シリーズ」と題されたこのコレクションは、人間の介入によって変貌(へんぼう)した風景の写真を集めた作品だ。塩田以外にも採石場、農地、炭鉱、産業の副産物によって変色した水路の写真もあり、いずれの上空から撮影されている。 「ハビタット(居住空間)」と題された修士論文として始まったこの取り組みが、今、同じ