By: Les Haines ウェブ狼 目次はコチラ 前回(ウェブ狼 第十一話 ~会議は踊る、されど芽生えず~)はコチラ 出迎えてくれたのは矍鑠としたという表現が似合う老爺だった。 その老爺に連れられ、紫に近い濃い赤色の絨毯が敷かれた大きな階段を二階へ上がった。 手前から二番目、ブラス真鍮細工入りのガラスをはめ込んだ赤茶色のドアを老爺がノックした。 乾いた音が三回、廊下に響いた。 「どうぞ」 中からよく通る声が聞こえた。 老爺がドアを開け、導き入れてくれた。 「失礼します」 ミソジはいくぶん大きな声で言った。 「いらっしゃい。待ってたわ」 美里が窓際の椅子に座っていた。 今日の装いは紺色のロングドレスだった。 「お世話になっております。お邪魔します」 ミソジは一礼して、入室した。 大きな張り出し窓が二つあり、ペルシャ絨毯が敷かれた部屋だった。 広さは二十畳くらい。 両の壁に備え付けられた本
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