By: kate gabrielle 僕が初めてロス・マクドナルドの作品を読んだのは、二十歳くらいだったと思います。 ハードボイルド小説が好きだという割には遅かったのですが、それには理由があります。 実はお恥ずかしい話、当時の僕は、ロス・マクドナルドをジョン・D・マクドナルド(※)という別の作家さんと混同していました。 今となってはなぜそんな勘違いをしていたのかわからないのですが、それに気づいてからようやく読み始めました。 『動く標的』を読んでみた感想としては、作品の完成度が高い(上から目線)というものでした。 その魅力を以下、述べていきます。 ※ジョン・D・マクドナルドはトラヴィス・マッギー・シリーズで有名なアメリカの推理作家、SF作家です。 ロス・マクドナルドはこの人と混同されるのを避けて、ジョン・マクドナルドという筆名から変えたという経緯があります。 ですから、僕が当時、混同したのも