「雑誌不況は底が抜けて、地獄の季節に突入しました」と、あるビジネス誌の発行人は危機感を募らせる。 1997年をピークに年々市場が縮小している出版業界において、比較的堅調といわれていたビジネス誌、経済・経営誌(以下、ビジネス誌)にも本格的な冬が訪れた。 10月末のABCレポート(日本ABC協会)によると、「週刊東洋経済」(東洋経済新報社)の発行部数は6万部を割り5万9501部、「週刊ダイヤモンド」(ダイヤモンド社)も前年同期比マイナス9000部の8万4298部と激減。「日経ビジネス」(日経BP社)は、その倍以上に当たる2万1000部も部数を落とした。そのような中にあって、「プレジデント」(プレジデント社)は、前年同期比107.5%となり、再び18万部台に乗った。デジタル版との重複を除く紙媒体のみの紙版公査部数で比較をすると、同誌とビジネス誌首位「日経ビジネス」の差はわずか1900部になり、「