消費が低迷していたビールに〝復権〟の兆しが見え始めている。昨年10月の酒税法改正で、安さが売りの第3のビールとの価格差が縮まったほか、新型コロナウイルスの感染拡大が下火となり外食が通常営業に戻る中、業務用ビールの需要も回復しつつある。発泡酒の台頭以降、シェアを減らし続けてきたビールに訪れた追い風に、各社は新商品を相次いで投入。健康に配慮した商品や、家庭でビールをよりおいしく楽しめるサービスも登場している。 ビールは長らく冬の時代が続いていた。人口減少などで国内のアルコール市場が縮小する中、消費者の好みも多様化。ビール類に限っても、価格が安い発泡酒や第3のビールの登場でシェアを奪われていった。 コロナ禍も逆風となった。外食の営業が制限される中、ビール販売の約5割を占めるとされる業務用が低迷。自宅ではビールよりも割安な商品が好まれる傾向にあり、昨年は初めて第3のビールが、ビールのシェアを上回っ