先日、同著者の『反音楽史―さらば、ベートーヴェン』(参照)を読んで面白かったのと、最近ベートーヴェンに関心を持っていたので『ベートーヴェンとベートホーフェン―神話の終り』(参照)も読んでみた。これも面白かった。基本的に前著のトーンでベートーヴェンの評伝をまとめてみたという感じの本である。 表題のベートーヴェンとベートホーフェンだが、日本ではベートーヴェンと呼ばれているが、当時はどちかというとベートホーフェンではないか含みがある。そして二枚の想像画を組み合わせた表紙の絵が、その二つを暗示している。簡単に言えば、楽聖と言われるベートーヴェンと、なにかと人生に苦労したコンプレックス多きベートホーフェンである。余談だが、先日、ドイツ人の演奏家の話を聞いていたら、発音はベートーヴェンに聞こえた。現代では「ベートーヴェン」という表記でもいいんじゃないかと思えた。 ベートーヴェンの実像はこういうもんだっ