歌舞伎を興したとされる出雲阿国(いずものおくに)が活躍した鴨川(京都市)で、京都府が、演奏や大道芸などを披露するステージの設置を計画している。 若者たちが練習する河川敷を文化・芸能の発信地とするのが狙いだが、周辺の商店主らは「風情のある地に騒がしい施設はいらない」と反発。「現代の阿国」を育てる試みは、果たしてうまくいくのか。 水辺の開放感と、繁華街が近いため観客も多く、にぎわいを兼ね備えた鴨川は、ロックバンドや大道芸、競技用自転車「BMX」のフリースタイルなど、様々なパフォーマンスに取り組む人たちの格好の練習スポットになっている。 「鴨川育ち」のプロもいる。学生時代、河川敷に腰掛け、ウクレレの弾き語りが日課だった京都市出身のシンガー・ソングライターつじあやのさんは「誰もが気ままに歌い、聴くことのできる自由な空気に引き寄せられた。熱心に歌う若者の姿に自分が重なり、エールを送ってしまう」と話す