第83回 日本人の資産管理、大研究 (2) ~論理破綻している日本人の資産感覚~ 経営コンサルタント 大前 研一氏 2007年6月27日 前回に引き続き、日本人の資産管理について述べる。まず、金融資産と非金融資産のバランスの推移を見てみよう。 一見して気づくのは、日本では60%台を占めていた非金融資産が40%台に下がってきていることだ。米国ではクリントン政権からブッシュ政権に変わった2000年あたりを区切りに非金融資産の割合が増えてきている。先にも述べたが、住宅が金融資産のように流動的に扱われている。これはブッシュ政権になってから強く見られる傾向だ。 日本と違って不動産の買い換えなどの場合のコストが高くないので地価上昇局面では不動産が動産化する現象が見られる。彼らは住宅を明らかに金融商品としてみていることが分かる。一生の間に4、5回は住宅を買い換えて、その都度、より高級なものに替え