その昔、カタカナの「シ」と「ツ」の書き方の違いを、バナナマンの日村さんに教えたのは、相方の設楽さんだ。 おかしな話だけれど、日村さんは「シ」と「ツ」、ついでに「ン」の書き方が怪しい。 設楽さんは何度だって「“シ”はね、“ツ”はさ、」と、その書き方について説明してきた。 その度に「そっかそっか」「またやっちゃった」と日村さんは言うけれど、おそらく、きっと、今でもあやふやなのだ。 うんと若いころ、2人が足を踏み入れた畳の楽屋には、座布団がいくつか積み上げられていた。 日村さんは、迷うことなくその上に「デンッ」と腰を下ろす。 設楽さんは「日村さん、どうしてその上に座っちゃうの?オレも居るんだから、そういうときは、1枚オレに渡すんだよ」と伝えた。 「そっかそっか」と日村さんは座布団を設楽さんに渡したという。 もちろん今は、そんなことはしない。 たくさんのことを注意されて、たくさんのことを教わって。
![それはつまり、設楽さんなのか。日村さんなのか。|中前結花](https://cdn-ak-scissors.b.st-hatena.com/image/square/ec47eccf7a7ec5468af4afc11200f29d50802584/height=288;version=1;width=512/https%3A%2F%2Fassets.st-note.com%2Fproduction%2Fuploads%2Fimages%2F30206460%2Frectangle_large_type_2_d01f4e2af69614a4f98d6e361ca52f52.jpeg%3Ffit%3Dbounds%26quality%3D85%26width%3D1280)