大震災と原発事故後、トモダチ作戦の下、多くの米兵が被災地の救援活動に従事した。(提供:U.S. Navy/アフロ) 東日本大震災と福島第一原発事故から、まもなく8年。 福島第一で汚染水処理問題が続く中、カリフォルニア州サンディエゴでは、2つの集団訴訟が却下の憂き目にあっていた。 3月4日(米国時間)、サンディエゴにある連邦地方裁判所が、「トモダチ作戦」の名の下、被災地の救援活動に従事した420名を超える米兵たちが被曝により健康被害を受けたとして、東京電力と原子炉を設計したジェネラル・エレクトリック社(GE)に対して起こしていた2つの集団訴訟を却下したのだ。 1件目の提訴は2012年、2件目は2017年に起きており、それぞれ、医療費など1ビリオンドル以上の損害賠償を求めていた。 当時、米兵たちは、サンディエゴを基地にしている空母ロナルド・レーガン号に乗船し、韓国に向かっていたが、大地震により
目黒区で5歳の女児が虐待死した事件につづいて、千葉県で小学4年生の女児が父親の虐待によって死亡しました。このふたつの事件に共通するのは、児童相談所など行政をバッシングする報道があふれる一方で、メディアがぜったいに触れないことがあることです。 報道によると、今回の事件で逮捕された父親と母親は沖縄でいちど結婚したあと離婚し、そのあと再婚しています。被害にあった10歳の女児は最初の結婚のときの子どもで、再婚後に次女(1歳)が生まれたようです。 長女を虐待していた父親は沖縄の観光振興を担う財団法人に勤めていましたが、千葉への転居を機に退職、18年4月からは同じ法人の東京事務所の嘱託社員として働いていました。「家族の話も頻繁にし、同僚は家族仲が良いと思っていた」とされ、沖縄時代の元同僚も「愛想が良かった」と証言しています。 ここから浮かび上がるのは、ジキルとハイドのような「モンスター」的人物像です。
「僕は校則を破りました。ごめんなさい、もうしません」。1人の中学生が生徒30人ほどの集まる教室に呼び出され、謝罪する――。こんな光景が東京都内のある公立中学校で毎週のように繰り広げられている。「おかしいのではないか」と生徒や保護者が訴えても変わらなかったという。学校で温存される理不尽な指導やルール。その根源には、何があるのだろうか。「ブラック校則」をめぐる学校現場の今を取材すると、変化の兆しも見えてきた。(文:Yahoo!ニュース 特集編集部/写真:笹島康仁)
昨年(2018年)9月末、札幌地裁で争われた労働事件で、非常に重要な判決が出されたことをご存知だろうか? 冠婚葬祭業を営む最大手のベルコが、労働組合を結成した労働者を「事実上」解雇したことを受けて、労働者側が訴えを起こした裁判で、裁判所は解雇を認める判決を下したのだ。 労働者が労働組合を結成したことを理由に、会社がその労働者を解雇することは、「不当労働行為」という違法行為である。もしこれが許されてしまうなら、残業代不払いやパワーハラスメントなどの告発は、簡単に封じ込められてしまうだろう。 だが、今回の事件では、それが裁判で認められてしまった。そこには重大な問題を孕む「からくり」がしかけられていたのだ。 この事件は少々問題が入り組んでいるが、日本企業で働く多くの会社員にとって非常に重大な意味を持っている。 政府は今後、「雇用」を減らし、業務委託契約への切り替えを大々的に進めていくというが、同
学校教育において部活動は、授業とは異なり、生徒の自主的な活動と規定されている。27日に文化庁が発表した「文化部活動の在り方に関する総合的なガイドライン」にも、強制参加の抑制が明記されたばかりだ。ところが全国調査のデータを分析してみると、管理職を含む2割の教員は、部活動を各教科と同じ、必ず生徒が学ぶべき事項と誤解している。 ■強制参加の問題 2018年は、国の部活動改革が大きく前進した一年であった。今年3月のスポーツ庁による「運動部活動の在り方に関する総合的なガイドライン」に次いで、今月27日、文化庁から「文化部活動の在り方に関する総合的なガイドライン」が発表された。 報道では、週に2日以上の休みをとるといった休養日の設定に注目が集まっているが、私が注目するのは、生徒の強制参加の抑制に踏み込んだ点である。 文化部ガイドラインでは、「望ましい部活動の在り方」として、「各学校においては、生徒の自
11月21日に羽田発福岡行日本航空335便がオーバーブックのために欠航となったニュースは皆さまご記憶にあると思います。 オーバーブック(以下、OBと略)とは飛行機の座席数以上に予約を取ることを言いますが、航空会社では日常的にこのOBを行っています。今回は375席の飛行機に401人の予約が入っていて、その処理に手間取ったため、羽田の出発が予定時刻よりも大幅に遅れ、このままでは福岡空港の門限(夜10時)に間に合わないことが判明したため、便そのものを欠航させてしまったことが大きなニュースになりました。 座席数より26人多いお客様のご予約ですが、そういう時はあふれたお客様に降りていただくことで便を出発させ、降りていただいたお客様には一定の賠償金をお支払いし、次の便をご案内するというのが運送約款で定められている手続きですが、今回の「事件」は、便そのものが欠航になってしまったために、約400名のお客様
9月21日、「国内第2位の健康保険組合が解散へ」と報道されました。 国内第2位の健康保険組合、解散を決定 51万人が加入 朝日新聞デジタル9月21日 そう聞いても「自分には関わりのないこと」と感じられるかもしれません。でもこのニュース、実は私たちの生活に大きく関わる「深刻な事態」の表れかもしれないんです。 10年前と比べ、年間支払う保険料は5万円以上も増えている 企業にお勤めの方は、毎月の給与明細を見てみてください。「健康保険料」という項目でお金が天引き(控除)されている人が多いと思います。 この健康保険料、実はここ10年で大幅に高くなっているのをご存知でしょうか。 大きな企業に勤める人が主に加入する「健康保険組合」の場合で、1人あたりの年間の平均保険料は、10年前は40万円くらいでした。 ※1より筆者作成(素材:いらすとや) それが昨年度は、およそ50万。なんと、10万円以上も増えている
「オーバードクター」の死… 九州大学箱崎キャンパスで発生した火災現場から発見された遺体の身元が、46歳の元学生であることが明らかになった。 福岡市東区箱崎6丁目の九州大箱崎キャンパスで7日朝に研究室を焼いた火災で、福岡東署は15日、焼け跡から見つかった遺体は研究室に出入りしていた同区の職業不詳の男性(46)と発表した。署によると、死因はやけどによる火傷死。男性が放火、自殺したとみて調べている。 出典:西日本新聞記事 記事によれば、研究者を志したものの貧困に苦しんでいたという。 詳細はみわよしこさんの記事にまとめられている。 九大箱崎キャンパス放火・自殺事件~「貧困」という切り口から見えてくるもの いったい何が起こったのか… 記事によれば、男性は大学院中退後も研究者を志していたという。いわゆる「オーバードクター」だったといえるだろう。 「オーバードクター」とは、「大学院博士課程に三年以上在学
今月、東京医大が、入学試験の際に女性受験生を一律に減点した問題が大きな話題になりました。この25日にも、被害対策弁護団が緊急ホットラインを開設したと報じられるなど、いまだに波紋を広げています。 大学に対する厳しい指摘の声が多く出る一方で、いわば「必要悪」、つまり女性医師が増えると医療現場が回らなくなり、医療の質が保てなくなる、との意見も報じられました。 実際のところ、どうなのでしょうか? 筆者は去年、このヤフー個人の記事の中で、医療の質の高さなどを世界195か国で調べた研究を取り上げました。 その研究によれば、確かに日本(女性医師率20%)の医療の質は、世界でも高いレベルに位置づけられています。 しかし日本より「高い」とランクされた国、例えばスウェーデンの女性医師率は47%、フィンランドに至っては57%と、女性医師の割合が日本よりはるかに多くなっています。(※1) データを見る限りは、「女
東京医大以外にも、女性枠はある東京医大では、2011年以降、女性が入学者の3割を超えないように入試の点数を操作していたという。 女子の受験生のペーパーテストの点数を一律に減点し、男子の小論文に加点していたというのだ。 酷い話である。 しかし、女性がテストで優秀な点をとっても入学が許可されないことは、大学入試だけではない。 実は都立高校の入試もそうである。 女子学生は男子の合格者よりも高い点数を取っていても、不合格になっているのである。その理由は、男女別募集定員の存在である。 男女別募集定員の緩和措置すら必要でないと答える中学校長が2割男女別定員があることによって割を食っているのは、成績優秀者が多いほうの女子である。 1998年から、この男女別に募集人員を定めている都立高校の「男女間の合格最低点における著しい格差を是正するため」、募集人員の1割だけは男女に関係なく、成績順に合否を決めることで
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