どのようなテーマで研究されていますか。 筒井現代の日本社会が抱える問題の中でもとりわけ重大だと見なされている少子化や未婚化、女性の就労、ワーク・ライフ・バランスなどに注目して研究しています。 少子化は今、「国難」といわれるほど日本の社会に深刻な問題をもたらしています。ところが先進諸国の中にもアメリカやフランス、スウェーデンなど日本ほどの少子化が進展しなかった国もあります。なぜ日本はここにまで至ってしまったのか、さまざまな統計資料をもとに分析し、欧米諸国と道を分かった転換点を探ってきました。 少子化が進んだ日本と克服した欧米諸国。その転換点はどこにあるのでしょうか。 筒井その一つの回答が、「共働き社会への移行」です。国際比較の観点に立つと、少子化の有力な仮説は、女性が働くようになったことで未婚化やカップルの出生率の低下が進み、子どもが減ったというものです。日本でも「女性が働いているから子ども