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ブックマーク / science.srad.jp (17)

  • 愛を司る脳の部位が特定される | スラド サイエンス

    米国ラトガース大学の人類学者 Helen Fisher 氏が、脳機能マッピングを使って、恋愛を司る脳の部位を特定しました (Science News Blogの記事) 。現在熱愛中のボランティア (17 人の米国人と 17 人の中国人) を対象に、恋人の写真と知らない人の写真を見たときの脳活動の違いを半年間に渡って観察したところ、恋人の写真を見たときは中脳の腹側被蓋野にある特定領域が活性化することがわかったそうです。米国人と中国人で活性化する部位に違いは見られなかったとのこと。また、自分の伴侶を現在も愛しているという結婚 20 年以上の男女 17 人 (40 ~ 65歳) を同様の手法で観察したところ、同じ部位が活発化したものの、こちらの場合は脳幹のセロトニンやバソプレシンを多く含む部位も活性化したそうです。 恋愛を脳機能で説明されると味気なくなってしまいますが、恋人たちの間で以下のような

  • ハネオツパイは飲んだくれ | スラド サイエンス

    Live Scienceの記事によると、マレーシアの生息するネズミに似た小さな哺乳類tree-shrews(学名:Ptilocercus lowii、和名:「ハネオツパイ」)が、アルコールが含まれる花蜜を、人間では生命に危険があるほど大量に摂取していたことが明らかにされたそうだ。河北新報の記事に日語の情報がある。 この発見はアメリカ科学アカデミー紀要(PNAS)に発表されている(論文「Chronic intake of fermented floral nectar by wild treeshrews」のabstract[全文PDFへのリンク有])。 ハネオツパイの生息地では、酵母菌の働きによって花蜜が発酵し最大3.8%のアルコール度数を持つ椰子の花のつぼみができる。ハネオツパイはこれを日常的に摂取しているそうだ。しかし、酩酊している状態は観測されておらず、アルコールを効率的に分解する

  • 人はマルチタスクで行動できるか? | スラド サイエンス

    長年に渡り読み継がれてきた「わが息子よ、君はどう生きるか」の著者であるフィリップ・チェスターフィールド卿が1740年にしたためた、息子宛ての手紙には「1つずつ事を進めれば1日という時間は全てをこなすのに十分な時間である。1度に2つのことを行った場合、1年あっても時間は足りない」とあるそうだ。一つのことを集中して行うことはチェスターフィールド卿にとっては単に時間の使い方の問題ではなく、知性の表われでもあった。 しかし現在では電子メールは絶え間なく届き、電話は鳴り続け、テレビも大音量、さらにポッドキャストのストリーミングまであるという状況に変貌した。これらはノイズとして処理されがちでありが、特に若い人々にとっては「電子騒音」とも呼ぶべきこの環境は当たり前のものになっている。 神経科学での研究によると「電子騒音」に囲まれた状況は絶え間なく気が散った状態であり、個人や文化にとって著しい損失とも言

  • お金持ちほど優雅な生活をしている、というのは幻想である | スラド サイエンス

    一般にお金持ちほど優雅な生活をしていると思われがちですが、ノーベル経済学賞受賞者である経済学者 Daniel Kahneman の研究によると、お金持ちほど拘束されている時間が多く、またそれにストレスを感じている傾向があるそうです(Washingtonpost の記事)。 たとえば、年収 2 万ドル以下の人々は、1 日の 3 分の 1 以上の時間をテレビを見るといった受動的なレジャーに費やしている一方で、年収 10 万ドル以上の人々の場合、リラックスする時間は一日の活動時間の 5 分の 1 以下。お金持ちの人は通勤や仕事などで拘束されてる時間が多く、最もお金持ちな層の人々はショッピングや子供の世話、エクササイズといったしばしばストレスのたまる活動について、最も貧乏な人々のおよそ倍の時間を費やしているとのこと。 多くの人たちは、お金持ちは大画面の TV を見たり、スポーツを楽しんだり、だらだ

  • ゲイの男性と異性愛者の女性の脳の構造は似ている | スラド サイエンス

    ストーリー by hylom 2008年06月19日 11時22分 ゲイの男性を好きな女性はどうなる? 部門より ゲイの男性と、異性愛者の女性は、脳の感情や気分、憂さなどを表すエリアの構造が似ているという研究結果が報告されています(Reutersの記事、Wired Visionの日語記事、論文)。 同性愛者と異性愛者を含む90人のボランティアの脳をスキャンしたところ、異性愛者の男性の脳と同性愛者の女性の脳はわずかに非対称で、右半球が左よりもわずかに小さいという傾向があったそうです。いっぽう、同性愛者の男性と異性愛者の女性はそうではなかったとのこと。 また、脳の中で好悪や恐怖といった感情や行動の判断を担っている扁桃体という部分の血流の測定を行ったところ、同性愛者の男性と異性愛者の女性は似たような動きを示していたそうです。 性差や同性愛/異性愛といった特質がなぜ生まれるかというのはまったく

  • 健康的な生活で遺伝子発現が変化する | スラド サイエンス

    ロイターの記事によると、良い生活や運動を増やすなどにより生活スタイルを大幅に変えることで、体の変化だけでなく遺伝子レベルでの大きな変化が即座に引き起こされるという研究結果が発表されたようだ。 同記事によると、良性の前立腺がんを患う30人の男性に対して、 3か月の間果物や野菜、穀物、豆製品などを中心とした生活を送る 一日30分のウォーキングなどの軽い運動を行う 一日1時間の瞑想などの「ストレスマネージメント」を行う などといった大幅な生活の変化を経験してもらったようだ。その結果、減量や血圧の低下といった健康状態の改善に加え、病気を進める遺伝子の数より病気を防ぐ遺伝子の活動が活性化するなど、前立腺の組織の遺伝子に変化が見られたとのことである。 この研究を行ったDr. Dean Ornish氏は、次のように述べている。 これは非常に興奮すべき発見だ。しばしば人々は「すべては遺伝子のせいだ」な

  • ガソリンと自由に混合できる代替燃料 | スラド サイエンス

    米公共放送サービス(PBS)のコラムで紹介されているSwift Fuelはエタノール由来の代替燃料ですが、成分にエタノールは含まれず安定剤や添加剤無しでガソリンと自由な比率で混合できるバイオ燃料です(/.の記事)。現行のエンジンでそのまま使用できるため、現在米連邦航空局では将来的な導入を視野に入れ航空機でのテストを始めています。しかしエタノールの製造は、製造されるエタノールより多くのエネルギーや資源を消費すると指摘されています。これに対し開発元のSwift Enterpriseはトウモロコシよりも耕地面積あたりのエタノール製造率のよい作物を原料にすることで問題を回避できると主張しているとのことです。 温暖化対策にバイオ燃料が役割を担う部分も勿論あると思いますが、同時に原料生産から派生する糧資源の減少や高騰、さらに水資源の確保合戦などを引き起こす要因でもあります。折り合いをつけつつ持続可能

  • ポリ袋を3ヶ月で分解してくれるバクテリアを発見 | スラド サイエンス

    自然分解するには1000年かかると言われているポリ袋(ポリエチレン)だが、これを3カ月でほぼ完全に分解するバクテリア(細菌)が発見された。発見したのはカナダの高校生(11年生)のDaniel Burd氏で、報告書(PDF注意)によると、スフィンゴモナス属細菌とシュードモナス属細菌を混ぜ合わせることで、それぞれを単体で用いた場合に比べ高い分解能力を発揮するようだ。 この報告書は今年5月に開催されたカナダの学生向け科学展Canada-Wide Science Fair 2008に提出されたもので、Burd氏は12の賞と合計5万7825ドル(おそらくカナダドル)の賞金、奨学金を獲得している。

  • 排卵の瞬間をカメラに捉えることに成功 | スラド サイエンス

    ベルギー Catholic University of Louvain(UCL)のJacques Donnez博士は、排卵の瞬間をカメラに捉えることに成功した(BBCの記事、NewScientistの記事、それぞれ4枚の画像あり)。これは、45歳の女性が子宮の摘出手術を行っているときに捉えたもので、卵子が赤い突起部分からゼリーのような物質に覆われて出てくることが確認できる。また、排卵は一瞬で行われているという説があったが、この排卵プロセスは15分ほどかかったという。

  • 地デジでは緊急地震速報が間に合わない? | スラド サイエンス

    横浜国立大学工学部の高橋冨士信教授らの研究グループが、地上デジタル放送で緊急地震速報を流した場合にアナログに対してどの程度の遅れが出るかを試算したそうです(J-CASTニュースの記事)。 地デジでは情報の圧縮に時間を要するため、アナログと同時に放送していてもわずかに遅れる事や、「時報」が役に立たないために放送されない事が知られていますが、考えてみると緊急地震速報でも同じ事になるのは当然といえば当然。しかし今回出た数値は、首都圏の地デジで平均 1.95秒、ワンセグでは平均 3.85秒と、数秒を争う地震速報の性質からすれば「致命的なタイムラグ」と言えます。で、今日も今日とて「アナログ放送は2011年で終了」とか CM流してる訳ですが…/.Jに居られる技術者諸兄にお聞きしたい。2011年までにこのタイムラグは無くせるんでしょうか?

  • 「宇宙はドーナツ型」説、復活へ? | スラド サイエンス

    宇宙は「ドーナツ型」であるという説が復活の兆しを見せているそうだ(Nature.com記事、家記事)。以前にも宇宙はドーナツ状で、有限のものが宇宙内で繰り返し写し出されているのではないかという説があったが、何らかの繰り返しパターンを観測することができず下火となっていた。しかし最近の研究では三次元トーラスなどの「ドーナツ型」宇宙モデルがWMAP観測データと合致する可能性が見えてきたとのこと。ちなみに三次元トーラスとは、立方体の上面と下面を貼りあわせて筒状にし、その筒の端の面(左面と右面)を貼りあわせ、さらに前面と後面を貼りあわせたものだそうです。

  • 睡眠不足だと仕事がはかどらない理由、科学的に明らかになる | スラド サイエンス

    睡眠不足で物事に集中できなかったり、仕事が進まない、といった経験がある方は多いと思いますが、なぜ睡眠不足だと集中できないのか、その理由を科学的に分析して明らかにした研究結果が発表されました(論文、 Reutersの記事)。 この研究を行ったのは、ペンシルバニア薬科大学のDavid Dinges氏らで、睡眠不足状態の脳の活動状態をfMRIで調べたところ、脳の複数のエリアでその活動が突然ストップすることを確認できたそうです。 睡眠不足状態では脳が睡眠状態に陥るのを止めることができず、睡眠状態と覚醒状態が短期間の間に交互に繰り返される状態になり、その結果集中力と視覚的処理能力が劇的に低下する、とのこと。 たった一晩の徹夜でも、脳はこのような状態になってしまうとのことで、もし効率的に仕事を進めたいのなら、やはり徹夜は避けたほうがよさそうです。

  • スラッシュドット・ジャパン | 空中分解したコロンビア号の実験データ入りハードディスクを復元

    家記事より。2003年にスペースシャトル・コロンビア号が帰還飛行中に空中分解した事故の後、機体の残骸は数ヶ月に渡って捜索・回収されました。その中には、ミッション中に行われた微小重力下におけるキセノンの動きの実験データが保存されたハードディスクも含まれていました。 空中分解によって高度3000mから地上に叩きつけられた、Seagate社の400MBのハードディスク(Block&Filesの記事やScientific Americanの記事内に写真あり)のデータリカバリは、米ミネソタ州のKroll Ontrackによって行われ、ディスク内の90%のデータを復元することに成功したそうです。 その後、数年に渡って研究は続けられ、実験データの分析結果をPhysical Review Eの4月号にて発表するに至ったとのこと。 高空から落下してもデータは復元できるということらしいので、データ削除の際は

  • 余剰CPU時間を使ってルービックキューブは23手以内で揃うと証明 | スラド サイエンス

    3月に「ルービックキューブは25手以内で揃う!」というトピックがあったばかりですが、そのTomas Rokickiが今度は上限を一気に2手下げて23手としました。キューブフォーラムの記事によると、前回と同じ方法で、Sony Pictures Imageworksのレンダリングファームの余剰CPU時間を使い、約7.8コア・年分の計算時間をかけて、ルービックキューブのどんな状態からでも最大23手で完成できることを示したそうです。このレンダリングファームはスパイダーマン3やSurf's Upの制作に使われました。 今回の探索でも21手必要なキューブ状態は発見されていません。対称形の考察などから上限は20手だろうと予想されています。同じアルゴリズムでこれを証明するには、3500コア・年のCPU時間が必要になるとRokickiは見積っています。さらに速い探索手法が考案されるのが早いか、ムーアの法測で

  • 脳活動を測定すると、意思決定を下す7秒前にその決断を予測できる? | スラド サイエンス

    脳の活動を測定すると、意思決定を下す7秒前にその決断を予測できるという研究が家で紹介されています(WIRED記事より)。Nature Neuroscienceに掲載されたこの研究では、被験者がボタンを手で押す際の脳活動を測定したところ、被験者に「どちらの手でボタンを押すか」という意思決定が起きる7秒前に前頭葉前頭局における活動が測定でき、その時点で被験者が右手でボタンを押すか、左手で押すかを予測できたとのことです。研究では被験者が自分の意思を意識する前に、どちらの手でボタンを押すかはすでに意識下で決断が下されている、としています。実生活における人の決断はより複雑な条件の下に行われるため、今回の実験結果がそのまま当てはまらない可能性も勿論あり、また実験時の研究者の予測が外れることもあったとのことですが、意思を意識する前にすでに意識下で決断が成されているとすれば、人の「自由意志」とは果たして

  • 心理学者は確率計算が苦手? | スラド サイエンス

    New York Timesの記事、家/.記事によると心理学の実験の分析結果の間違いをエール大学の経済学者Keith Chenが指摘したとのこと。 問題の実験方法は、1956年にJack Brehmが行なったものなどを改良したものでfree-choice paradigmと呼ばれ、心理学の認知的不協和の実証に使われている。 元の実験では、まず猿に赤と青のM&Mのどちらかを選ばせ、赤を選んだ場合、次に青と緑から1つ選ばせる。この場合、青と緑では緑のM&Mを選ぶ確率が高くなることから、赤と青では赤の方が好みだっただけなのに「青が好きじゃなかった」と自身に思い込ませることから青の順位を下げてしまうと結論づけられている。 しかし、Chen博士が執筆中の論文によると、これは確率の計算で簡単に説明できる現象であるとのこと。 赤、青、緑の3色を好みの順番に並べるときに順列の数は3 P 3=6通りであり

  • 渋滞の数理モデルを実証 | スラド サイエンス

    菊池教授は「車の密度が一定値を超えると、ちょっとした速度変化が後の車に次々に伝搬し、渋滞を起こす。ある温度以下になると水が一斉に氷に変わる現象と同じだ」と説明している。 この話の面白いところは、外的な要因ではなく、車の密度 (車間距離の短さ、車の台数) によって渋滞が発生したことと、それを数理モデル化できたことだろうか。車の密度を計測することにより、正確性の高い渋滞予測を行うことも出来るようになるかもしれないし、このモデルは他の分野への応用も出来るのではないだろうか。

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