この連載の最後のゲストは、北海道大学教授の松王政浩先生です。科学哲学が専門の先生との対談は、まさに「考える」ことをめぐる刺激的な対話となりました。 松王政浩(まつおう・まさひろ) 1964年大阪府生まれ。1996年京都大学大学院文学研究科博士課程修了。静岡大学情報学部助教授などを経て、北海道大学大学院理学研究院教授、京都大学博士(文学)。訳書に『科学と証拠――統計の哲学 入門』(エリオット・ソーバー著・名古屋大学出版会)『科学とモデル――シミュレーションの哲学 入門』(マイケル・ワイスバーグ著・名古屋大学出版会)がある。 ●文系と理系という分け方が嫌いだった 石川 松王先生は、アメリカの科学哲学者の大家であるエリオット・ソーバー先生の『科学と証拠――統計の哲学 入門』を訳されています。私は、Amazonで「統計の哲学」という言葉が目に入り、「これが知りたかったんだ!」と興奮して入手したん