日本には、安倍晋三元首相を銃撃した山上徹也被告に対して同情的な見方を示す層が一定数いるが、そうした反応は海外メディアには不可解に映るようだ。英紙「フィナンシャル・タイムズ」は、日本の戦前の政治風土に注目し、山上を熱烈に支持する人たちがいる理由を分析している。 フィクションに登場する冷酷な殺し屋には、「悪の魅力」がある。 憂い顔の暗殺者に、ならず者の殺し屋。皮肉屋にだんまり屋、「殺しのライセンス」を持つ男──映画やゲーム、文学に登場する殺し屋は実に多種多様だ。まるで、抗いがたい魅力が彼らにあるからこそ、惹きつけられるとでも言わんばかりに。 では、現実においてはどうか。「自分は実際に起きた暗殺事件を、適切に理解している」と私たちは考えがちだ。正当性が認められない暗殺には戦慄を覚え、容疑者の動機や、国家が容認した暴力のプラグマティズムにも左右されないと感じている。 だがその一方で、たとえば米海軍

